日本ハム・中田翔がスケールアップ “160メートル弾”
北海道日本ハムの中田翔がスケールアップしている。4日の沖縄・名護キャンプでは、フリー打撃の打球が、中堅118メートルの名護市営球場のバックスクリーンの上空で消えた。直後に鈍い金属音を残してボールが跳ね返ってきた。 「引退するつもりだった」メジャーから日本復帰の尚成
■詰まった打球が推定”160メートル弾” その行方を確認できた人は少なかったが、カメラマンの「球団旗のはためく、センターポールに当たった」という証言があった。バックスクリーン超えの場外弾など聞いたことがない。キャンプイン前には、170メートル以上を飛ばさないと届かない外野の後方にある海にぶちこむというスプラッシュ弾を予告していたが、この打球の推定飛距離は、軽く160メートルはあっただろう。 「風ですよ、風。芯は芯だけど、詰まっていた。芯詰まりという奴。快心の当たりじゃないんですけどね」 話を聞いて、また驚いた。確かにセンター方向へ向けて強風が吹いていたが、詰まった打球で、バックスクリーン超えとは、恐ろしい。 「自主トレ期間中に上半身だけじゃなく下半身も鍛えた。ちょっと今までと、違う鍛え方をした。みなさんの見ての通り。スイングが変わってきた。自分でも、去年とは違うんじゃないかという手ごたえはある」 ■一回り大きくなった体 長打も増える 確かにヒップの周りが一回りでかくなったようにも思える。左足を大きく上げてボールを引き込むバッティングスタイルに変化はないが、そのボールを待つ時間帯に安定感がある。どっしりとぐらつきがない。実戦になっても、この“間”が保てるなら、率も長打も増えるだろう。 「まだまだ。もっと体がキレてくると、さらにスイングも打球も鋭くなってくる」 狼みたいな金髪姿で不適に笑う。驚愕の飛距離を見せつけても、中田翔に満足感はない。野球が、飛距離を争うスポーツでないことを、彼は誰よりも知っている。 サードへのコンバートに取り組んでいる。「サードマン」として大先輩にあたる侍ジャパンの小久保監督からは、「練習で楽をするな!」と檄を飛ばされた。