地域医療は崩壊の危機 23年度外来3万2000人、入院1万2000人…種子島南部の医療圏支える公立病院の常勤医が1人に 医師育てる研修制度地方に逆風、人材は設備や待遇整う都市部へ流出
西之表市馬毛島の自衛隊基地整備に絡み、町内に隊員宿舎などの関連施設ができるとして、防衛省にも医師派遣を要請。3月議会では「25年度にも自衛隊関連病院から研修医が派遣される見通し」と明かした。 とはいえ、宿直や休診日当番も考えると綱渡りの状況は変わらない。4月には医師の働き方改革が施行され、これまで以上に人数の確保が必要になった。長田智寛事務長は「地方病院を取り巻く環境は年々厳しくなる」と表情は険しい。 種子島病院に20年通う同町島間の女性(86)は「町のコミュニティーバスが移動手段の高齢者は近くに病院があるだけでどれだけ安心か。どんな先生でもいいから来てほしい」と切実な思いを口にした。
南日本新聞 | 鹿児島