ロケ依頼「施設に直接」が増加か 栃木県FC事業、撮影件数が10%減 2023年度、大河「光る君へ」や相葉雅紀さん主演ドラマなど
栃木県観光交流課は31日までに、映画やドラマなどの県内での撮影を支援する県フィルムコミッション(FC)事業の2023年度実績を発表した。撮影件数は前年度比10.0%減の36件で、2年連続の前年割れだった。FCを通さずに、ロケ地となる施設などに直接依頼するケースが増えているとみられる。撮影隊の宿泊費や弁当代など県内で消費されたロケ関連経費を示す直接的経済効果は、平均撮影日数の減少などが響き38.9%減の4332万9千円だった。 撮影前の相談件数は7.6%減の314件で、2年連続で減少した。 県内には竹林が有名な宇都宮市の「若竹の杜(もり) 若山農場」や、爆破シーンの撮影もできる栃木市の岩船山中腹採石場跡など、ロケ地として認知度が高い場所が各地にある。同課によると、新型コロナウイルス禍による撮影受け入れ制限が緩和されたことも重なり、制作会社が施設に直接問い合わせるケースが増えたとみられる。 撮影作品のジャンルの内訳は、ドラマが18件で最多。次いで映画8件、CM4件、情報・バラエティー番組3件、その他3件だった。NHK大河ドラマ「光る君へ」の撮影は、小山市の鬼怒川河川敷などで行われた。相葉雅紀(あいばまさき)さん主演のドラマ「今日からヒットマン」では矢板市のメイフラワーゴルフクラブが登場。綾瀬(あやせ)はるかさんらが出演した映画「リボルバーリリー」は、日光市の日光田母沢御用邸記念公園が使われた。 1件当たりの平均撮影日数は1.75日で、前年度より約1日減った。 一方、市町などのFCを含めた県全体の撮影件数は2.0%増の305件、直接的経済効果は12.9%減の1億3858万1千円だった。 同課は「ロケ地に選ばれた場所をPRし、さらなる観光誘客や地域活性化につなげたい」としている。