【陸上】3位の相澤晃 日本記録保持者の称号失うも成長に手応え「今度は挑戦者として負けない」/日本選手権10000m
◇第107回日本選手権10000m(12月10日/東京・国立競技場) パリ五輪代表選考会を兼ねた第107回日本選手権10000mが行われ、男子は塩尻和也(富士通)が27分09秒80の日本新記録で優勝した。 第107回日本選手権10000mの全成績をチェック! このレースの前まで日本記録(27分18秒75)を持っていた前回覇者の相澤晃(旭化成)は3位。自己ベストを塗り替える27分13分04をマークしたが、連覇はならなかった。 「暑い予報もありましたが、涼しくて、ちょっと寒いくらい。良い条件でペースメーカーについていくだけでした。調子の良い選手が前に行き、私にはまだ前で走る余裕がなかったですね」 1ヵ月前に体調を崩したことを明かした相澤。「あまり影響はなかった」と言いつつも「それが塩尻さんとの差」とも語った。 3年前の日本選手権では、日本新を打ち立てて優勝した。「前の記録は出てしまった感じでした。今回はしっかり練習できました。そこが成長したところかな」。 昨年夏に右足の後脛骨筋を痛めた影響で約1年半ぶりの10000mだった。その間にさまざまなトレーニングや調整、コンディションニング方法を取り入れてきたという。 大学時代はあまり練習量を落とさずにトラックレースに出てきたが、「チーム(旭化成)の先輩からアドバイスをもらって」、しっかりと調整してピークを合わせてきた。 他にはウエイトトレーニングにも本格着手。「腕振りもしっかり振れるようになりましたし、下半身も筋肉がつきました。重く感じることもありましたが、しっかり修正して臨めました」。 準備を整えて臨んだレースで自己ベストを更新。手応えはあった。だが、タイトルには届かず「塩尻さんとは間が空いて負けてしまったので、そこを埋めていきたいです。これまで日本記録保持者だったけど、今度は挑戦者。塩尻さんや、太田(智樹)さん、田澤(廉)君に負けないように、次の日本選手権に向けてあと5ヵ月、しっかり練習したい」と前を向く。 自身の個人レースもあるが、次の大きな目標は元日の全日本実業団対抗駅伝。旭化成では、12月2日の日体大長距離競技会10000mで高卒1年目の長嶋幸宝が27分44秒86(U20日本歴代2位)を出すなど、勢いが出てきた。そういった後輩を頼もしく思いながらも、相澤は「エースとして走りたい」と力を込めた。
月陸編集部