処理水放出あすで半年 輸入停止に苦しむ「半農半漁」地元住民
次代につなぎたい 福島 米×ノリ 遠藤友幸さん
「岩子(いわのこ)は今も農業と漁業の地域。この形を次世代に引き継いでいきたい」 処理水放出にめげず奮起するのは、福島県相馬市岩子地区で、水稲3ヘクタールとアオサノリ養殖を手がける遠藤友幸さん(63)。長男の雄樹さん(37)と共に漁に精を出す。 同地区は、半農半漁で多くが暮らす。遠藤さんによると、同地区の世帯数の6分の1に当たる20世帯ほどが半農半漁。同地区内のノリ養殖の網数は、震災前の2、3割で、復興は道半ばだ。 ノリの養殖を若者から支持される産業に育てようと、遠藤さんはアオサノリの6次産業化商品を仲間と作り、2023年から東南アジアを中心に海外への販路獲得に力を入れる。そのかいあり、タイやオランダでの販売にこぎ着け、フィリピンには原料の輸出が始まった。「いつまでも東電が悪い、国が悪いと言っていても仕方がない」。復興に向けて前を向く。
日本農業新聞