虎のソナタ 「野球」とかけて「政治」と解く。そのココロは… 政治用語多いスポーツ紙…藤川内閣は安定政権であれ
「野球」とかけて「政治」と解く。そのココロは…。 ①トウシュ(投手、党首)とホシュ(捕手、保守)がいる ②トウシュ(投手、党首)はナイカク(内角、内閣)を攻める ③どちらもセーフ(政府)がつきもの いろんなナゾカケはあるが、スポーツ新聞において、政治用語は多い。 新監督が決まれば「組閣」と呼ばれるコーチングスタッフの選定に入る。シーズンが進んでチームがボロボロであれば「内閣支持率」という緊急アンケートが始まる(少し前には消費税以下という監督もいたっけ。もちろん消費税が1桁だった頃です)。とにかく、ここ最近まで虎番たちは「組閣」取材に追われていたのである。記者がいくら予想したところでボールは藤川監督と球団サイドにある。日頃のネットワークを生かし、推察して、言質をとる作業は本当に骨が折れる。 午後4時。阪神球団から〝藤川内閣〟が発表された。虎番の須藤佳裕はリリース資料を見て、声を上げた。 「1軍のコーチを見ていると、上本コーチ以外、全員が藤川監督と同い年か年上なんですね」 こういうところに目を光らせるのが須藤らしい。金村投手コーチにしても球児監督の現役時代は「球児!」と呼んでいた。それが「藤川監督」になるのだから、プロ野球の世界はおもしろい。 「年上のコーチ陣をどうマネジメントするかに注目しています。ヘッドコーチがいないというのも改革。楽しみですよ」 藤川新監督に決まってからヘッドコーチは置かないのでは?とささやかれていた。メジャー経験のある藤川監督だからこそ、ベンチコーチのような作戦コーチを置くだけではないか、と。阪神では2013年に和田豊監督の下、黒田正宏ヘッドコーチが就任して、14年に日本シリーズに進出。大成功した場合もあるが、ヘッドコーチを置かない球団は意外にも多い。 最近ではソフトバンクの工藤公康監督。投打にチーフを置く形だった。16年のパ・リーグでは工藤ソフトバンク、伊東ロッテ、栗山日本ハムがヘッドコーチ不在。その3球団が上位に入った。長いプロ野球の歴史を見ると、年齢の若い監督で同級生のようなヘッドコーチが就いて成功した例は極めて少ない。名参謀と呼ばれる人がいないのであれば藤本ヘッドコーチではなく、総合コーチとして投打のチーフコーチを含めたトライアングルで藤川監督に提言するのはいい傾向だと思う。 特に藤本コーチは岡田監督の下で2年間、三塁コーチを務めた。広い甲子園を本拠地とする打撃コーチもツライが、三塁コーチも厳しい世界に身を置いている。クロスプレーでアウトになれば「壊れた信号機」と言われ、打者にサインが伝わらなければ監督から激怒される。成功して当たり前で、失敗すると糾弾される。監督と同じように試合展開を見ながら判断しないといけないため、とても大事な役割だ。
須藤は「僕、藤本コーチと同じ誕生日なんですよね。余計に力が入ります」と言う。10月4日生まれ。これも、何かの縁。名刺を渡して、あいさつしたときに話題にしたそうだ。〝解散総選挙〟は、もうコリゴリ。藤川内閣、安定政権でありますように。