「ねんきん定期便」に書かれている「年金の見込額」は、そのまま受け取れると思っていいですか?
ねんきん定期便は、誕生月に日本年金機構から毎年届く通知です。将来受け取れる年金の見込額や、年金保険料の納付状況などが記載されています。 ただし、見込額に記載されている金額は、年によって変動するケースもあるため注意が必要です。収入の変化や制度の改正により、減少する可能性もゼロではありません。 今回は、ねんきん定期便の概要や、見込額などについて解説します。
ねんきん定期便とは
ねんきん定期便とは、毎年誕生月に送付される年金に関する通知のことです。国民年金や厚生年金の加入状況や年金受給見込額など、届いた年までの状況をまとめています。将来受け取れる年金にかかわる情報なので、届いたら必ず確認しましょう。なお、35歳、45歳、59歳の通知は、はがきではなく封書で届きます。 また、オンラインで時期に関係なく年金の状況を確認できるサービス「ねんきんネット」でも、年金の見込額の試算が可能です。誕生月などに関係なく、すぐ確認をしたい方は利用登録をしておきましょう。
見込額の記載通りに受け取れるわけではない
ねんきん定期便でチェックする際、その年に届いた見込額が必ずしも将来受け取れる額と同じとは限りません。送付された時点での年金見込額は、それまでの実績によって算出されています。 もし送付されたあとに収入が下がったり、離職により厚生年金の加入をやめたりしていると、次年度に届く年金見込額は減少している可能性も少なくありません。逆に、昇進などで収入が増えれば見込額も増える場合があるので、毎年確認しておくことが大切です。 ■見込額以外のチェックすべきポイント 見込額以外にも、ねんきん定期便にはさまざまな情報が掲載されています。とくにチェックしておきたい箇所は、加入期間と納付状況です。 加入期間は「これまでの年金加入期間」項目で確認できます。年金の受給条件のひとつは「受給資格期間が120ヶ月以上であること」です。 もし60歳になっても厚生年金と国民年金の加入期間が120ヶ月以上なかった場合、60歳以降に年金保険へ加入しないと年金を受け取れません。60歳以降の加入は任意加入となり、自分で申請をする必要があります。 納付状況は「最近の月別状況です」と書かれた項目です。年金の納付状況や、厚生年金保険の標準報酬月額、保険料納付額などが分かります。 万が一これらの情報が間違って記載されていた場合、将来受け取れる年金額も異なってしまうため、年金事務所へすぐに問い合わせることをおすすめします。