ヤクルトの優良助っ人コンビ「オスナ」と「サンタナ」に複数球団が争奪戦必至 巨人、阪神が参戦か
とりわけ、外国人選手で史上初の2000安打を達成したラミレスが、同一リーグのライバル球団に移籍したことは大きな痛手だった。ラミレスは01年から7年間ヤクルトの主軸としてプレーしたが、08年から巨人の4番に座り、リーグ3連覇に大きく貢献。当時の巨人は毎年のように他球団の強打者を補強していて、移籍組も実力が発揮できずに打撃不振に陥ると他の選手に取って代わられる例が少なくなかったが、ラミレスは別格だった。巨人移籍後も首位打者、本塁打王、打点王、最多安打のタイトルを獲得。明るい性格でファンに愛され、本塁打を打った後の様々なパフォーマンスでも人気を呼んだ。 ■ソフトバンクが獲得検討の可能性も かつて大型補強の代名詞は巨人だったが、いまはソフトバンクの派手な補強戦略が目立つ。日本ハムの近藤健介が22年オフにFA権を行使した際は日本ハム、オリックス、ロッテ、西武の争奪戦を制して獲得に成功。ロッテの守護神だったロベルト・オスナも獲得した。オスナは今年からソフトバンクと4年総額40億円規模の大型契約を結んだことが報じられた。推定年俸10億円はNPBの選手の中でトップだ。さらに、昨オフには西武の主砲・山川穂高をFA補強。今季は春先から投打がかっちりかみ合い、首位を快走している。 先の民放テレビ関係者は、ソフトバンク移籍の可能性を口にする。 「一塁には山川、外野も近藤、柳田悠岐、周東佑京、若手成長株の川村友斗と選手がそろっている。ただ、巨人からトレード補強したアダム・ウォーカーが指名打者で活躍が期待されたが、打撃不振で5月からファーム調整している。先の話ですが、サンタナの獲得を検討する可能性があるかもしれない」 スポーツ紙の遊軍記者は、「高津臣吾監督の進退が、オスナとサンタナの去就に影響すると思います」と指摘する。
■監督が変われば移籍の可能性が高まる? 「高津監督は今季が就任5年目。2年契約の最終年です。21、22年とリーグ連覇を果たしましたが、昨年は5位に低迷して今年も最下位と苦しい戦いが続いている。90試合以上残っているので優勝のチャンスはまだまだありますが、クライマックスシリーズ進出もかなわないようだと、来季の続投が不透明になる。オスナ、サンタナはコミュニケーションを積極的にとり、ヤクルトでプレーしやすい環境を作ってくれた高津監督を慕っています。監督が代わるとなれば、新たなチーム作りに着手することになる。球団フロントは全力で慰留すると思いますが、両選手は難しい決断を迫られることになる」 もちろん、今はシーズンの戦いに集中している。ヤクルトは22年の交流戦で、パ・リーグの全球団に勝ち越して14勝4敗で交流戦優勝し、その勢いでリーグ連覇を飾った。オスナ、サンタナはこの経験を味わっている。今年も交流戦を逆襲のきっかけにできるか。 (今川秀悟)
今川秀悟