中之島図書館内にカフェ開店 図書館活用へ一歩踏み込む
大阪市北区の府立中之島図書館内に今月からカフェ「スモーブローキッチン ナカノシマ」がオープンし、さっそく近くで働くビジネスパーソンらが食事や商談などで訪れている。独自のメニューを提供し、夜間も営業。公立図書館活用をめぐる関心が高まる中、図書館有効活用へ一歩踏み込んだ。
重要文化財の名建築にカフェ誕生
西に面した正面玄関から入って2階右手、新聞閲覧室などに利用されてきたスペースが、カフェに生まれ変わった。店内には重厚さと華やぎが溶け合う。 店舗を運営するエルワールド(大阪市中央区)の林田貴星(はやしだ・たかし)常務取締役は「重要文化財の近代建築にレガシーを感じ、ぜひ出店したいと決断しました」と話す。重要文化財を舞台に取り組める数少ないビジネスチャンスに、いち早く反応を示した。 店名にも盛り込まれた「スモーブロー」は、デンマークのオープンサンド風郷土料理。オープンサンドの上に、野菜や魚介類などを食材の持ち味を生かして美しく盛り付けるのが特色で、専門店は西日本初登場。鮮度重視や盛り付けの美意識は和食にも通じ合う。
水都の魅力楽しむ中之島の新名所になるか
同図書館は1904年、住友家の寄付をもとに建設。ネオバロック様式の名建築で、74年、国の重要文化財に指定された。 公立図書館をめぐっては、本来的な図書文献の閲覧や貸し出しサービスに留まらず、地域での文化情報拠点としての有効活用を期待する声が高まっている。林田さんは「将来的には、食べることを通じて、生きる大切さを学んでもらう食育に関するイベントなども、展開していきたい」と意気込む。 営業時間は午前9時から午後9時までと長く、食事や商談、夜の懇親会などに幅広く利用できる。水都大阪の魅力づくりが進む中之島の新名所になるか、注目が集まりそうだ。詳しくは府立中之島図書館の公式サイトで。 (文責・岡村雅之/関西ライター名鑑)