フリースクール通いの不登校の子どもは「高校進学を目指すには不利になる」…親が知っておくべき学校以外の教育選択肢のメリットデメリット
ホームスクーリングは広がるか
いまはオンラインや動画のすぐれた教育コンテンツがあるのだから、家で勉強できるのでは?と思う人もいるかもしれません。 近年、家庭を学習の拠点とする「ホームスクーリング」も注目されることがあります。アメリカをはじめホームスクールが認められている国、地域は増えており、今後、日本でも増えていく可能性はあります。 日本では正式に普通教育と認められているわけではないため、不登校の子への教育の手段として捉えられているのが現状です。 ホームスクーリングを教育の手段として考えた場合、親の力によるところが大きくなります。 動画コンテンツや良い教材を使ったとしても、小中学生が自分一人で進めるのはかなり難しいでしょう。近くで勉強を見てあげたり、その子の状態を観察しながらちょうど良いものを提示してあげたりする必要があります。親が教員免許を持っているなど教育に造詣が深く、かつ、時間的な余裕がある場合に可能となる方法です。 アメリカのホームスクーリングも、実際は厳しい基準が設けられており、カリキュラムに沿って学習を進め、テストを受けるなどしなくてはなりません。 家庭で教育できる力があるなら、ホームスクーリングも選択肢の一つです。ただ、進路の選択や、同世代とのコミュニティへの参加等をどうするかはよく考えておく必要があります。学校の理解がある場合はフリースクールと同様、出席扱いになりますが、内申点はまた別の話です。
通信制高校で学ぶのは大変
通信制の高校はカリキュラムがあります。 多くの学校は登校日が限られており、基本的にオンライン授業や動画などで学習します。そして、レポートを提出して単位を取得します。自分で計画を立てて、コツコツ進めなければならないので、どれも学習の習慣のない人にとっては大変です。が、実際には教科書を見て書き写せばなんとかなってしまうことが多く、きちんと理解できていない場合もあります。 高卒資格を得られれば良いと考える人もいると思いますが、本質的な学びが得られないのだとしたら不幸なことです。 そもそも近くに先生や友だちのいない環境で、一人で頑張るのは大変なことです。 大人だってそうですよね。学ぶ内容が良くても、「環境」が大きな影響を与えることは考慮に入れておくべきでしょう。 フリースクールやホームスクーリングのように、学校以外の選択肢は増えていますが、安易にすすめることはできません。メリット・デメリットをわかったうえで選択することが大切だと思っています。 文/小川涼太郎