新潟大が液状化の原因調査 能登地震、月内にも結果
新潟大の卜部厚志教授(地質学)らの研究チームが、能登半島地震による液状化の被害が出た新潟市で、詳しい原因を探るため地盤に穴を掘るボーリング調査などを行った。学術目的のほか自治体や住民個人の対策に役立ててもらう狙いもあり、分析結果を4月中にも公表する方針だ。 今回の地震では新潟市西区を中心に家屋の傾きや路面のひび割れなどの被害が相次いだ。市によると、揺れによる直接の被害も含め8日時点で住宅93棟が全壊、約2800棟が半壊した。卜部教授によると、液状化被害は信濃川の旧流路や低地に集中し、1964年の新潟地震でも液状化した地域だった。 調査は3月12~19日、こうした地域だけでなく、被害が比較的小さかった中央区でも実施。中央区は新潟地震では大きな被害が出ているため、違いを調べることで「次の液状化を防止するためのヒントがあるかもしれない」(卜部教授)。 19日、西区の公園で行ったボーリングでは、地下約5メートルまで穴を掘り、土壌を柱状にした試料を採取。ドリルのような部材を地面にねじ込み、地盤の強度を調べる試験も行った。