生物多様性の維持へ現状学ぶ 五戸で「里地里山」保全活用勉強会
「里地里山」保全活用勉強会が22日、五戸町農村環境改善センター瑞穂館で開かれた。同町上市川にある桜沼周辺の環境保全について考えることを目的としたもので、北里大獣医学部の教員がビオトープの概念やアメリカザリガニの生態をテーマに講演した。 里地里山とは、集落と農地、ため池、草原などで構成される地域を指す。近年は産業構造の変化の影響を受け、生物多様性が損なわれていることが指摘されているという。 勉強会には町内外から25人が参加した。2部構成で行われ、前半は柿野亘准教授がビオトープについて解説。近年、温暖化や農地の耕作放棄により、生物の生息空間が狭まっている現状を説明した。 桜沼は、正式名称「桜沢沼」と呼ばれるため池の通称。柿野准教授は「ため池は植物が繁茂し、酸素が欠乏状態になりやすい」と述べ、生物多様性の維持に向けて継続的な管理の必要性を訴えた。 後半では筏井(いかだい)宏実教授が、桜沼でも繁殖しているアメリカザリガニをセンチュウ駆除に活用する方法を紹介した。
デーリー東北新聞社