横田めぐみさん拉致から46年 先の見通しが立たない「現状」
ジャーナリストの佐々木俊尚が11月15日、ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」に出演。北朝鮮に拉致されてから46年になる横田めぐみさんについて解説した。
横田めぐみさん拉致から46年
当時中学1年生だった横田めぐみさんが北朝鮮に拉致されてから、11月15日で46年になる。10月、めぐみさんは59歳の誕生日を迎えたが、父親の滋さんは娘との再会を果たせないまま3年前にこの世を去り、母親の早紀江さんは87歳となった。新潟市中央区にあるめぐみさんの母校・新潟小学校では14日に集会が開かれ、めぐみさんの同級生の他、全校児童約470人が参加した。 飯田)産経新聞には、「めぐみへの手紙」という早紀江さんの手記が掲載されています。46年が経つのですね。 佐々木)一部の拉致被害者が帰国したのが2002年。その少し前、90年代の終わりごろにめぐみさんが平壌で生きているという情報があり、2002年に帰って来るかと思われたけれど、帰らなかった。北朝鮮側による「亡くなった」という発表もありましたが、信用できる情報ではありませんでした。 飯田)そうでしたね。 佐々木)2003年から6ヵ国協議が始まりました。当時、中国はまだ胡錦濤国家主席の時代で、ロシアのプーチン大統領も就任して日が浅く、「欧米寄りの若いリーダー」というイメージでした。ロシア・中国を含め、「北朝鮮による拉致問題を何とかしよう」という機運があったのです。
6ヵ国協議から20年を経て北朝鮮をめぐる状況が激変し、先の見通しが立たない
佐々木)当時は期待できたのですが、2006~07年くらいから北朝鮮が核実験を始めてしまい、ロシアも独裁化して、中国は習近平体制になった。胡錦濤前国家主席は、去年(2022年)の共産党大会で席を奪われ、連れ出されるような事件が起きています。6ヵ国協議の時代から20年を経て、状況はあまりにも変わってしまった。北朝鮮を孤立させて「めぐみさんの帰還を引き出そう」というのが日本政府の方針でしたが、気付くと中国のみならず、ロシアでさえも北朝鮮に近寄っている。もはや北朝鮮・ロシア・中国・イランと、かつての枢軸国連合のようなものができ上がり、日本が交渉して何とかなるという状況ではなくなってしまった。心苦しいばかりですが、なかなか先の見通しが立たないのが現状です。