生活再建は… 「仮設住宅」建設始まる 被災した受験生も共通テストへ
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能登半島地震から12日目。石川県では215人が亡くなり、このうち災害関連死は14人と増えています。被災地では断続的に雨が降っていて、住民の不安と疲れも増しています。 ◇ 街中に残る爪痕はいまだ手つかずのまま。12日目となった能登半島地震。避難生活は終わりが見えません。 被災した住民(石川・穴水町、12日) 「(元日)1日からずっといます。1日は寒くて寒くてひもじい思いをして。水道がきたら帰りたいんだけどね」 壁になっているのは、水や電気などライフラインです。12日に珠洲市で行われていたのは… 記者 「北陸電力の作業員により復旧作業が進められています」 北陸電力によると、倒れるなどした電柱は1500本以上。県内1万2000戸以上(※午後5時10分時点)で停電が続く中、1日でも早い復旧が進められています。 輪島市の広場では、12日から応急仮設住宅の建設がはじまりました。市役所には早速… 仮設住宅の申請に来た住民 「安心して住める、生活再建に向かえるような環境が必要になってくるので(仮設住宅の)申し込みをしました」 仮設住宅の申請に来た住民 「一刻も早く、建てるなら早く建ててほしい」 歩み始めた“日常”を取り戻す動き。市内2か所でまずは50戸建設する予定だということです。 ◇ 捜索活動も続いています。 news every. 鈴江奈々キャスター(石川・輪島市、12日午前) 「大規模な火災があった現場に来ています。今も時折、風に乗ってこげたようなにおいがします」 輪島市では12日午後2時時点で22人の安否がわかっていません。12日は550人超えの態勢で一斉捜索が行われました。 しかし、そこに追い打ちをかけるのが悪天候です。 住民 「家の中で大きくあいたところは雨、雪が積もるでしょう。先行きが見えない、先が見えないですね」 被災地では断続的に雨が降り続いています。 流れ込んだ土砂が形成した「土砂ダム」は、輪島市で少なくとも10か所以上。(※京都大学防災研究所 松四教授による)雨が降ることで決壊し、さらなる被害がでるおそれがあるのです。 ◇ 厳しい局面が続く被災地。こうした中、人生の岐路を迎える人たちもいました。 12日、金沢大学に続々と訪れた制服姿の高校生。13日から「大学入学共通テスト」がはじまります。高校3年生にとって勝負の日、その下見に訪れていました。 ただ、元日には大地震がありました。 中能登町の受験生 「ちょっとモチベーションがなくなったんですけど、それでも自分のできることを頑張ってやってきました」 石川県の多くの高校生が満足に勉強ができない中、13日を迎えることになります。それでも将来に向けて… 穴水高校の受験生 「公務員になって、今被災している状況、同じ状況になった時に人々を助けるような仕事に就きたい」 穴水高校の受験生 「みんなに会うのも久しぶりなので、それだけでも元気がでた。これまで培ってきた能力を頑張って、最大限発揮したいと思っています」 大きな被害のあった七尾市の高校でも12日、受験生が出発しました。 高校3年生 「大きい地震を経験してまだまだ不安なんですけど、やるしかないので頑張ろうと思います」 高校3年生 「勉強してきたことを信じて、出し切りたいなって思います」 地震が続く中、勉強と向き合った高校3年生。在校生からは温かいエールが送られました。 「3年生の健闘を祈って、フレー! フレー! 3年生!」 13日、“人生の節目”に立ち向かいます。 ◇ 鈴江奈々キャスターは、輪島市役所内につくられた避難所を訪れました。 「心地よしです。今夜はぐっすり眠れるかな」 高齢者や障害のある人など配慮が必要な人専用の避難所です。衛生面や感染対策など避難所が課題を抱える中、段ボールでスペースを仕切るなど、工夫がされていました。 「はじめは仕切りも何もなくて、着替えたいと思っても全然できなかった。これ以上、贅沢(ぜいたく)言われんね、こんなことしてほしいなんて、おかげさまで温かいものもいただけますし。上等です、頑張ります」 12日には入浴支援も行われました。 「最高です!」 温かいお風呂は今年初めてだということです。 終わりの見えない避難生活。今回の地震ではこれまでに215人が亡くなり、そのうち14人が災害関連死で命を落としました。 被災地ではこれから気温が下がり、13日の朝までには雪に変わって積もるところもあります。再び注意が必要です。