逮捕から17年…無罪判決を勝ち取ったCL制覇のユーヴェOBが壮絶体験を振り返る
ユヴェントスOBのミケーレ・パドヴァーノ氏が19日、自身の壮絶な体験を振り返った。イタリア紙『ガゼッタ・デロ・スポルト』が伝えている。 かつてユヴェントスでプレーし、1996年のチャンピオンズリーグ優勝のほか、翌年のスクデット獲得などの輝かしい実績を持つパドヴァーノ氏。だが現役引退後の2006年、違法薬物の密売に関わった疑いで逮捕されると、2011年、トリノ地方裁判所で8年8カ月の禁固刑の判決を受けた。その後、長い裁判での戦いの末、2023年1月31日に、トリノ控訴院で無罪判決を勝ち取ったユーヴェOBは、自身の17年間にわたる体験談がドキュメンタリー化されるにあたって語った。 「クーネオの拘置所で10日間、隔離されていた時が一番つらかった。10日間は短いようだが、食事が支給される小さな窓しかない部屋に、たった1人で閉じ込められて過ごすのは、永遠のように感じられる。何もしていないのに、理由が分からず、世界から切り離されて過ごした10日間だった」 パドヴァーノ氏の悪夢は、犯罪組織のトップとされていた幼なじみの友人に3500ユーロ(約57万円)を貸したことがきっかけで始まった。 「一度もあきらめたことはなかった。1秒すらない。自分が何も罪を犯していないことは分かっていたので、自分に繰り返し言い聞かせていた。一生かかったとしても、自分の無実を証明するために守り抜くつもりだとね。私は現役時代、FWだった。だが弁護士の先生たちに言われたように、この悲しい物語において、自分自身の最強のDFであることが分かったよ」 現在、『スカイスポーツ』の解説者へと転身した元ユーヴェFWは、自身の夢を明かした。 「傷跡はまだ残っていて痛い。だがカルチョは、私にリセットして前へ進むことを教えてくれた。私はいま、妻と息子との穏やかな生活を夢見ている。あの17年間の物語はもう終わった。司法には貸しがあるように感じているが、何かが動き始めたいまに満足している。カルチョは私の人生であり、『スカイ』に与えてもらったチャンスをうれしく思う。解説者の仕事は好きだよ。今後のユヴェントス復帰? ユーヴェは私のキャリアにおける絶頂だった。復帰できれば最高だが、いまは『スカイ』での経験を楽しんでいるよ」