シェフラーがまた勝った! トム・キムをプレーオフで下し今季6勝目。シグネチャーイベント4勝目でおよそ42億円をわずか半年で稼ぐ
PGAツアー今季最後のシグネチャーイベント(昇格試合)トラベラーズ選手権でスコッティ・シェフラーがシーズン6勝目を挙げた。8つある昇格試合のうち4勝目を挙げたほか、マスターズと第5のメジャー・プレーヤーズ選手権を制しフィールドが厚く高額賞金のビッグイベントで強さを発揮し続ける不動の世界ナンバー1。タイガーが全盛期の2000年に記録した年間9勝を射程圏内にとらえた。 スコッティ・シェフラーのドライバー連続写真はこちらから
サンデーバック9で混戦を抜け出しトップに立ったシェフラーに1打差のトム・キムが最終ホールでバーディを奪い並びかけプレーオフに突入。 テキサス州ダラスに居を構える2人は誕生日が同じ6月21日。昨年キムの21歳のバースデーにはシェフラーが彼を招きパーティを開いておりケーキのローソクを吹き消す動画がSNSにアップされている。 「本格的パーティに呼ばれたのは生まれて初めて。本当に嬉しかった」と初々しい表情でキムは感激を口にした。 今年は大会前に会場から30分ほど離れたニューヘイブンピザ(レストラン)で22歳のキムと老けて見えるがまだ28歳のシェフラーが誕生日を一緒に祝ったという。 仲良しの2人は最終日最終組を一緒に回ったがトロフィーを掲げられるのはひとりだけ。プレーオフ1ホール目でキムがグリーン手前のバンカーからパーをセーブできず惜敗を喫した。 先の全米オープンでは72ホールで4つしかバーディを奪えずメジャーで初めて4日連続オーバーパーで今季ワーストの41位タイに終わったシャフラー。その悔しさをわずか1週間でバウンスバックするところはさすがといわざるを得ない。 2000年にタイガーが、2004年にビジェイ・シンがそれぞれシーズン9勝を挙げているが、このペースでいけばその記録並ぶ、あるいは超える可能性も出てきた。
ところで最終日の18番で最終組の3人がグリーンに上がってきたところで4、5人の暴漢がコースに乱入。グリーンに発煙筒のようなものを投げつけ警官に取り押さえられる事件があった。 「死の惑星にゴルフは許されない」と書かれたティシャツを着た男たち(抗議活動だったらしい)の突然の暴挙にバティアは「命の危険を感じました。ショックで心拍数が上がった」と語り「一瞬夢かと思った」とキムも驚きを隠しきれなかった。 幸いけが人はおらずグリーンに残った赤と白の粉状のものを取り除き整備してからプレー再開。動揺しながらもキムがバーディパットを沈めた。事件の影響で試合は15分中断。プレーオフではカップが別の場所に切られた。
川野美佳