誰も傷つけないお笑いコンビ・ブラゴーリが『キングオブコント』準決勝で見つけた指標
東京吉本の若手芸人が所属する「神保町よしもと漫才劇場」から、今押さえておくべき芸人を紹介する連載「レコメンド神保町」。前途有望な若手芸人が日々、切磋琢磨しているこの劇場の中でも注目の芸人とは。 【関連】ニューヨークが大絶賛するブラゴーリが『M-1』をざわつかせた漫才 第7回はブラゴーリが登場。2024年の『キングオブコント』で準決勝に初進出、9月の『Jimbochoグランプリ』では総合優勝するなど波に乗るふたりに、これからの展望を聞いた。
笑顔あふれるスーパーハッピーコンビ
──まずはおふたりのコンビとしてのアピールポイントを教えてください。 塚田裕輝(以下、塚田) 笑顔です。人を傷つけず、嫌な気持ちにもさせず、とにかく笑顔にするお笑いをやる。そして僕ら自身も笑顔がチャームポイント。だからお客さんの笑顔と僕らの笑顔であふれるスーパーハッピーコンビです。 大ちゃん 僕ら『ハッピーラッキーチャンネル』っていうYouTubeもやってるんです。芸人のYouTubeって誰かの悪口や下ネタをおもしろおかしく言ったりしてるものが多いじゃないですか。でも、このチャンネルでは下ネタやネガティブなことは一切言わない。なんなら「タバコ」というワードでさえ言わない。みんながハッピーでラッキーになれるような動画だけをアップしてます。 塚田 子供と一緒に朝から観られる動画を目指してます。だから、タバコなんて悪影響なワードはもちろん出さないですし、そもそも吸わないですし……。 大ちゃん 嘘はつかなくていいよ(笑)。 塚田 葉っぱ(紙タバコ)は、吸わないです(笑)。 大ちゃん なんでIQOSはオッケーなんだよ。双子も生まれたんだからやめなよ……。 ──お子さんの誕生おめでとうございます。ネタを作る上でも“ハッピー”は大切にしているんですか。 大ちゃん そうですね。お客さんが考えなくても大笑いできるわかりやすさはやっぱり意識してますね。でも、わかりやすいボケってお客さんもすぐ気がつくんですよ。普通のボケはツッコむまで気がつかなかったり、ツッコミで回収するみたいなのも多いじゃないですか。でも、僕たちは一番手前のボケをやるので、お客さんが気がつくより早くツッコまなきゃいけないんです。だから、とんでもないスピードになっちゃうんですよね。そのスピード感は難しいですよね。 塚田 僕らのネタって誰でもできるんじゃないかって思われるかもしれないですけど、できないっすよ。あのテンポでフリ落ちフリ落ちをたたみかけるっていうのは、なかなかね……。みんながお笑いを知っちゃってるこの時代にできたことじゃないです。