通勤客らにあいさつをする稲富さん（28日午前7時、福岡市南区の西鉄大橋駅で）＝浦上太介撮影

　政治不信を招いた与党は過半数割れに追い込まれ、議席を大きく伸ばした立憲民主党などは政権交代も視野に入れ始めた――。与野党で明暗が分かれた衆院選の投開票から一夜明けた28日、有権者の負託を受けた当選者たちは朝から街へ繰り出し、国政に尽くすそれぞれの志を新たにした。 【写真】当選確実となり、喜ぶ稲富さん（27日午後11時32分、福岡市南区で）

福岡2区

　政権交代が起きた2009年以来、15年ぶりに小選挙区で勝利した福岡2区の立憲民主党、稲富修二さん（54）。福岡市南区の西鉄大橋駅前で通勤客に「期待しているよ。ここからがスタートだから頑張って」と激励される場面もあり、握手を交えながら感謝を伝えた。

　「政治とカネ」を巡る問題で政権批判の追い風を受けた稲富さんは「『裏金』の問題が大きかった。身が引き締まる」と話し、「政権を取り、国民に納得してもらえるような政治改革を進めていく」と力を込めた。

　激戦の末に稲富さんに敗れ、比例選で復活した自民党の鬼木誠さん（52）も同市中央区の西鉄平尾駅近くの交差点で、「ありがとうございました」と繰り返し頭を下げた。鬼木さんは「また議席をいただいた。『気持ち新たに頑張るぞ』という思いだ」と神妙な面持ちで決意を語った。