日本時代の「林野」の風景などを紹介 台北で特別展/台湾
(台北中央社)日本統治時代に登場した「林野」の概念をテーマにした特別展が台北市の国立台湾博物館鉄道部園区で開かれている。3枚の絵を通じ、清の時代や日本時代の林野の姿を紹介する。開幕記者会見が27日、現地で開かれた。 キュレーターの洪広冀・台湾大学地理環境資源学科副教授(准教授)によれば、同展では人類が到達しやすい標高数百メートルの地域に焦点を当て、清朝時代以降の林野の物語をひもとく。「林野」という言葉が台湾で使われたのは日本時代の1895(明治28)年に総督府が「官有林野及樟腦製造業取締規則」を公布したのが最初だという。 展示される絵画は、清朝末期に描かれた風俗画「番社貿易図」や画家の郭雪湖の「円山付近」(1928年)、陳澄波の「満載而帰」(1936年)。「円山付近」や「満載而帰」では、総督府の森林資源保護の歴史や当時の林業の光景を垣間見ることができる。 1940年代の登山装備も併せて展示される。台湾では1930年代に大屯山やタロコ(太魯閣)、阿里山の3カ所に国立公園が設置されたことなどをきっかけに、登山やハイキングが盛んに行われるようになったという。 特別展「林野:力的交界」は来年10月13日まで。 (王宝児/編集:名切千絵)