「12万人のごみ、行き場を失った」大任町に建設中のごみ処理施設 稼働できない? 情報公開めぐり議会と組合が対立
RKB毎日放送
福岡県の田川地区8市町村が共同で建設を進めるごみ処理施設をめぐる問題。一部事務組合が会見し、田川市議会で稼働に必要な議案が否決されたため来年4月からごみの受け入れができなくなるおそれがあると主張しました。 【写真で見る】建設中のごみ処理施設 ■組合側が会見 田川地区広域環境衛生施設組合 永原譲二組合長「(田川地区)12万人の人が家庭から出るごみの行き場がなくなった」 「田川地区広域環境衛生施設組合」の永原譲二組合長は、11日午前記者会見し、大任町に建設中のごみ処理施設が来年4月に稼働できないおそれがあると主張しました。 ■「情報公開」めぐる不信感 市議会が議案を否決 ごみ処理施設をめぐっては、田川市議会が組合側に情報を公開するよう求めてきましたが、永原組合長はこれまで工事費用などの積算書は存在しないと断言。 田川市議会が10月8日ごみ処理場に関する「情報提供が十分になされていない」として、組合の規約に関する議案などを否決しています。 田川地区広域環境衛生施設組合 永原譲二組合長「情報公開しないとか、積算書が何の関係がありますか、規約の改正に。屁理屈でしょう」 田川市を除く7町村の議会は議案を可決していますが、田川市議会の否決により福岡県から稼働の許可が受けられない状況になっています。 ■「協議したい」田川市の申し入れを組合が拒否 また、田川市は議会の否決後、組合に対して協議の場を求めましたが、組合はこれを拒否しています。 田川地区広域環境衛生施設組合 永原譲二組合長「田川市は、否決にした内容について説明責任があるので、組合長をはじめ副組合長に説明をしたいと、こういう申し出がありました。確かにありました。我々が今回の規約改正のために向こうが提案してきたものを説明してくれと言っても説明しないのに、なんで今度は自分たちから説明すると言っているのか。することが支離滅絶じゃないかと。だから我々は、町村長会議で話し合いをするから、もう一切その前には受け付けられません、ということでお返ししています。それがどこが悪いんでしょうか」
■田川市長「稼働できないと断定するのは早計」 11日の組合の会見を受け田川市の村上卓哉市長がコメントを出しました。 否決した議員の主張について「多くの市民の思いを代弁していると捉えている」と理解を示した上で、「永原組合長に複数回の申し入れを行ったが、協議を断られている状況である。このような中で、田川郡7町村長が一方的に記者会見を行うことには理解に苦しむところである。今回の否決を受けて4月から新ごみ処理施設が稼働できないと断定することは早計であると考える。稼働に向け、さらなる協議と理解を深めることが必要で、田川地区全住民の生活に支障が生じないよう、引き続き努力したい」としています。
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