「腹立たしい」憤る住職 国の有形文化財“摩尼寺”本堂に油性ペンで落書き 警察に被害届相談(鳥取)
山陰中央テレビ
国の登録有形文化財に登録されている鳥取市の摩尼寺(まにじ)本堂の柱に、油性のペンで書かれたと見られる落書きが見つかりました。摩尼寺は、被害届の提出について警察と相談しています。 杉谷紡生記者: 落書きが見つかった摩尼寺です。入口近くの大きな柱に、はっきりとした筆跡が残されています。 落書きが見つかったのは、鳥取市覚寺にある摩尼寺本堂の柱です。5月31日に、住職が本堂に掲示板を設置していたところ落書きを見つけました。落書きに使われたのは黒の油性ペンで、男性と見られる2人の名前が、縦に約15センチの大きさで書かれています。 摩尼寺の本堂は、1860年に再建された木造建築で、2014年に国の登録有形文化財に登録されました。貴重な建造物に落書きされたことに住職は憤ります。 摩尼寺・居川敬信住職: 「本音を言うと腹立たしいですね。今まで落書き被害はなかったので。 落書きが見つかった柱の近くには、参拝した人が護摩木に願い事を書く時に使う油性ペンが置かれていました。本堂には、午前9時半から午後4時半まで参拝者が自由に立ち入ることができ、境内に防犯カメラは設置されていませんでした。 摩尼寺・居川敬信住職: 寺の物ではあるが、鳥取の皆さんの物だと思っていますので、こういうことをするのはやめていただきたい。人を監視するようでいやだが、(防犯カメラを)設置する方向で考えている。 摩尼寺は、落書きされた柱の表面を修復する予定で、被害届の提出については警察と相談しているということです。 落書きを巡る問題は、全国でも起きています。6月1日には、東京の靖国神社の石柱に、赤い文字の英語で「Toilet」と書かれた落書きが見つかりました。落書きをしたのは中国人のインフルエンサーとみられ、落書きをする様子が中国の複数のSNSで拡散されました。このような建造物への落書きは、何の罪に問われるのか弁護士を取材しました。 佐藤力弁護士: 建物に対する落書きをした場合どういう犯罪になるかというと、「建造物損壊罪」あるいは「器物損壊罪」という犯罪になります。建造物損壊罪の場合には5年以下の懲役刑。器物損壊罪の場合には、3年以下の懲役刑または30万円以下の罰金という形で処罰されます。 佐藤弁護士によると、摩尼寺や靖国神社は国の重要文化財ではないため、より罪の重い文化財保護法は成立せず、器物損壊罪あるいは建造物損壊罪に問われる可能性があるということです。
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