紀伊國屋ホール開場60周年記念特別公演『フォーティンブラス』

佐々木大光主演、鈴木悠仁出演の『フォーティンブラス』が3月1日（金）～18日（月）に東京・紀伊國屋ホール、3月23日（土）、24日（日）には兵庫・AiiA 2.5 Theater Kobeで上演される。シェイクスピア『ハムレット』にたった2回登場するだけの脇役であるフォーティンブラスに着目し、横内謙介によって俳優の視点から書き下ろされた今作。『ハムレット』を上演している劇場を舞台に、ハムレット役の大スターに不満を募らせるキャストたちの様子を描くバックステージものだ。1990年の初演以来、1995年の草彅剛＆井ノ原快彦、2001年扉座版では高橋一生、2003年の長野博＆村上信五、2021年の戸塚祥太＆内博貴と、さまざまなキャストによって上演が重ねられてきた。今回、羽沢武年役の佐々木大光、岸川和馬役の鈴木悠仁に話を聞いた。 まず、今作の話がきたときの第一印象を語る二人。 「すごい先輩方がやってきた舞台を受け継ぐからには、先輩がやってきたものを超えたいなという思いはあります。この作品を自分たちの世代にも広めていけたら」（佐々木） 「すごい先輩方が出演してきた舞台でプレッシャーは感じています。でも、舞台裏を描くような作品は大好きなので、物語として楽しそうだなと思いました」（鈴木） 同じ事務所の先輩後輩として交流のある二人。この日も、二人の間に流れる空気は終始和やかだ。 「共演者が悠仁と聞いて『マジか～』と（笑）。よく懐いてくれる後輩なので、やりやすさはあるんですけど。今回はほぼ初めてのストレートプレイ、しかも主演で、自分のことで精いっぱいでかまっていられないと思うので、『仲いい感じ出してこないでね』と伝えています」と佐々木が言えば、「この発言は（愛情の）裏返しだと思うので、気にせず接して行こうと思います」と鈴木が返し、すでに息ぴったりの様子。 二人とも、ミュージカル経験はあるものの、ストレートプレイはほぼ初めて。 「とくに悠仁は歌が得意だから、悠仁がいるということはこの作品はミュージカルかと思ったんですよ。でもストレートプレイだと聞いて驚きました。いざ台本を読んでみたら、とにかくセリフが多くて……。戸塚くん版の公演を映像で見てみても、とにかくずっとしゃべってる。だから、今からちょっとドキドキしています」（佐々木） 「僕もミュージカルだとばかり……。でも初めてのことなので、わくわくします。登場人物の人間関係がどろどろしているんですよね。映画などで見るのは好きですが、自分でやってみたらどうなるのか楽しみです」（鈴木） 二人とも、新しい挑戦に対して、期待を膨らませているようだ。 「自分を見てくれているファンの方たちは、これまで見たことのない体験ができるんじゃないかと思います。同時に、この作品が好きで見に来てくれる方には『今年はいまいちだな』なんて思われないよう、最大限の力を出して頑張りたいと思うので、ぜひ劇場に足を運んでください」（佐々木） 「ストレートプレイで、アイドルを離れて役者として演技をする自分をぜひ見てほしいです。作品自体が面白いと思うので、物語を楽しんでいただきたいです」（鈴木） フレッシュな組み合わせによる『フォーティンブラス』がどんな作品になるのか、楽しみにしたい。 取材・文：釣木文恵 ＜公演情報＞ 紀伊國屋ホール開場60周年記念特別公演『フォーティンブラス』 ■東京公演 公演期間：2024年3月1日(金)～3月18日(月) 会場：紀伊國屋ホール ■神戸公演 公演期間：2024年3月23日(土)～3月24日(日) 会場：AiiA 2.5 Theater Kobe ■出演 佐々⽊⼤光、鈴⽊悠仁、⽊﨑ゆりあ、荒井敦史、⽮島舞美・伴美奈⼦（Wキャスト）、吉⽥智則、武⽥義晴、⽝飼淳治、新原武、濱⽥和⾺、伊東陽光、遥りさ、北村由海、尾崎明⽇⾹