広島・堂林が抹消 27打席連続無安打で新井監督「一回リセット」早期復調へ決意「泥だらけになる」
「広島(降雨中止)中日」(12日、マツダスタジアム) はい上がれ!広島の堂林翔太内野手(32)が12日、打撃不振による再調整のため、出場選手登録を抹消された。この日は今季5度目の雨天中止になったことを受け、マツダスタジアムの屋内練習場で汗を流した。2軍行きを言い渡した新井貴浩監督(47)は「彼はチームに必要な選手」と強調し、選手会長の復調を願った。 【写真】新井監督が吐露 堂林の抹消理由「心身ともに疲弊している」5月は17打席ノーヒット「チームにとって必要な選手」 下は向いていない。落とし穴の中にいる堂林は、光を求めて懸命に上を見てもがいている。練習では1日限定の、母の日仕様のピンクバットで黙々とマシンと向き合い、振り込む姿があった。「結果が出ていなかったので、当たり前の結果だなと思っています」。そう言って2軍行きを受け止めながら、早期復調へのプランを思い描く。 「打席にも早い段階から立とうと思っていますし、すべてやれることをやって、結果を出して(1軍に)上がってくる。それだけですね」 振り返れば、いつの間にか路頭に迷い込んでいた1カ月半だった。オープン戦で2本塁打を放ち、開幕から4番起用されて最初の10戦を終えた時点では打率・355。数字は付いてきていた。それが徐々に快音も消え、気がつけば4月20日・巨人戦から27打席連続無安打で、打率・210、0本塁打5打点。2022年7月に新型コロナウイルスの陽性判定を受けて以来2年ぶりで、不振に限れば21年6月以来3年ぶりの登録抹消となった。 直近はベンチを温めることも多くなっていた中で「練習からしっくりきていなかったですし、どういうふうになっているというのも、自分でも分からない状態だった」という。今年から選手会長という重責も担っている。思うようにいかない結果と責任感から、知らず知らずのうちに自らを追い込んでいたのなら、今回のファーム行きはしがらみから解放される良い時間にもなるはずだ。 新井監督は「試合に出ながら状態を上げていくというのが今できないから、一回リセットして、ファームで打席に立ちながら状態を上げてほしい」と堂林の抹消理由を説明。「開幕して4番をずっと打ってきて、ここ最近思うように状態が上がらなくて本人も心身ともに疲弊していると思う」と胸中をおもんぱかった。 代わって2軍からは林が昇格してくる見込み。チーム内競争を旗印に掲げるチームの中にあって堂林は「やれることは自分の中でやって、良くならなかったので、2軍に落ちて当然。また一から若い子たちと泥だらけになって頑張りたいと思います」と気持ちを切り替えた。再起へ-。初心に立ち返って、再び1軍の舞台に帰ってくる。