信州にも響く「六甲おろし」 虎党は日本一に歓喜、その時オリックスのドラフト1位は…
38年、長かった。猛虎復活だ―。1985(昭和60)年以来、阪神タイガースが2度目の日本一に輝いた。県内の虎党も歓喜し、応援歌「六甲おろし」を響かせた。 上田西の横山、「プロになる実感」 オリックス福良GM、「トリプル3の潜在能力」 1位指名あいさつ【動画付き】
中信地方の阪神ファンでつくる「信州松本友虎倶楽部(ゆうこくらぶ)」は、松本市中央1のバーに10人が集まって観戦。「38年前は何をしていた?」と話しながら声援を送り、優勝が決まると万歳やハイタッチで喜びを分かち合った。
同倶楽部は2005年創設。初代代表の塩川晃利さん(57)=東筑摩郡山形村=は自衛隊員として1985年、日航ジャンボ機墜落事故と長野市の地附山地滑り災害の現場に駆けつけた経験もあり、「いろいろあった人生の中で最高の日を迎えた」と感慨深そうに話した。
長野市吉田のながの東急ライフ前では、市内のファンらによる「信州酔虎倶楽部」がテレビで観戦。勝利を決めると約70人が総立ちになり、六甲おろしの合唱で喜びを爆発させた。同倶楽部会長で、かくおか醸造社長の岡大輔さん(53)=長野市=は前回優勝時、中学3年生だった。「当時はバース選手ら打撃がすごいチームだった」と振り返り、「本当に長かった。来年も日本一を目指して応援したい」。熱烈な虎党だった亡き父に見立てた虎のぬいぐるみを胴上げし、「やったよ」と声をかけた。
上田市中央2の時計店店主、清水兼治さん(66)は、阪神グッズを常設している店内で法被とユニホーム、キャップを身に着けて応援。前回優勝時に挙げた自身の結婚披露宴では六甲おろしを自ら歌ったほどで、「長かった。2023年は忘れられない年になりました」。着替えることなく祝杯を挙げに近くの繁華街「袋町」へと向かった。
一方、オリックスは日本一を逃したが、前年の覇者らしい見事な戦いぶりを見せた。
10月のプロ野球ドラフト会議でオリックスから1位指名を受けた上田西高校(上田市)の横山聖哉さん(18)は自宅のテレビで観戦。「自分がプレーするイメージをしながら見ていた」と話し、「いつか日本シリーズの舞台で日本一に貢献できるような選手になりたい」とプロでの活躍を思い描いた。