【ソフトバンク】19年ドラ1外野手が支配下復帰即Vホーム!師匠・柳田悠岐の離脱ショックを弟子が救った
◆日本生命セ・パ交流戦 ソフトバンク2―0広島(1日・みずほペイペイドーム福岡) ソフトバンクの佐藤直樹外野手(25)が1日、支配下選手として再登録され、いきなり昨年5月12日のオリックス戦(京セラD)以来となるスタメンで1安打1得点と活躍し、チームの2連勝と3カードぶりの勝ち越しに貢献した。昨オフに戦力外通告を受け、背番号138の育成選手としてプレーしていた19年のドラフト1位。昨季まで背負った背番号30に戻り、躍動した。年俸は据え置きの1300万円(推定)。 先制のホームを駆け抜け、笑顔で自軍ベンチに戻った。祝福してくれたのは、前日までとは違う1軍のメンバー。「きのうの今頃は、想像もしてなかったです」。3回無死、敵失で二塁に達した佐藤直が、続く今宮の右前打で先制のホームイン。4回には今季初安打と初盗塁をマークして、ヒーローインタビューで涙をこらえた。 前夜10時。ウエスタンの阪神戦のため滞在していた兵庫の宿舎で就寝しようとしたところ、井出外野守備走塁コーチからの電話で、支配下復帰と即時の1軍昇格、「1番・中堅」のスタメンを同時に告げられた。睡眠はわずか3時間だったが、「試合のことを考えると」博多に戻る新幹線で一睡もできなかった。 昨オフ、戦力外通告を受けた。他球団への移籍も考えたが、育成選手として再契約する道を選んだ。「このままでは、人として成長しない」。柳田に弟子入りを志願し、大分の自主トレに参加。2軍で打率3割4分、10盗塁と結果を残した。 皮肉にも、その師匠が前日に戦線離脱したことで、チャンスが巡ってきた。柳田からは試合後、LINEで「お前が頑張ったからじゃけえ」とエールを送られた。「育成の時の気持ちを忘れないよう、悔いなく一日を大切に過ごしたい」。佐藤直の2度目のプロ人生が幕を開けた。(田中 昌宏)
報知新聞社