「もしトラ」から「ほんトラ」へ 「本当にトランプ大統領になるのではないか」というモードで準備するべき
日本経済新聞コメンテーターの秋田浩之が2月13日、ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」に出演。米大統領選でトランプ氏が勝利した場合の日本が取るべき対策について解説した。
アメリカ大統領選挙の世論調査、バイデン氏の続投不可86%
米ABCテレビなどが2月11日に発表した世論調査によると、11月の大統領選挙で再選を目指す民主党のバイデン大統領(81)が「高齢過ぎて2期目を務められない」とする回答が、86%に達した。 飯田)また、トランプさんも含めて「高齢過ぎるのではないか」という回答は59%あったそうです。
「トランプ大統領になるのではないか」というモードで準備をするべき
秋田)この数字を見てまず思うのは、「もしトラ(もしもトランプ氏が当選したら)」という言葉が流行っていますが、「もしトラ」ではなく「ほんトラ」……本当にトランプさんが大統領になるのではないかというモードに切り替えて、準備する必要があるということです。 飯田)ほんトラ。 秋田)重要な州での「トランプ対バイデン」の世論調査では、トランプさんが優勢というトレンドが出ています。それなのに、「裁判のためトランプさんが出られなくなるかも知れない」などと安心し、「まさかトランプさんの再選はないだろう」と考えるのは大きな間違いだと思います。
アメリカに頼るだけではなく、「日本が変わる」というレベルで準備しなければならない
飯田)いまから準備しておくということですね。自民党の甘利前幹事長はテレビ番組で「チーム安倍」を再編し、「あのときの知見を」というような発言をしていました。 秋田)甘利さんの発言は自民党総裁選を睨んだ面もあると思いますが、日本側のトランプ対策に基礎・応用・上級編があるとすれば、安倍さんがトランプさんとゴルフを4回して個人的な関係を築いたのは、基礎中の基礎だと思います。その程度では2期目のトランプ政権には通用しないでしょう。 飯田)ゴルフをしたくらいでは。 秋田)1期目は大統領になったばかりで何が何だかわからず、相手の話も聞いたでしょうし、「この人はいい人間だ」と思えば手加減することもあったと思います。しかし今度のトランプさんは、アメリカの国益第一的な路線を曲げないどころか、加速させる準備をしている。そのためには取り入るのではなく、アメリカに何でも頼るような路線とは違う方向に切り替えなければなりません。「日本自身が変わる」というレベルで準備するべきではないでしょうか。