国連の特別報告者が沖縄の現状を視察「PFASと米軍基地との因果関係は明らか」
沖縄テレビ
人体に有害な有機フッ素化合物PFASを巡り、国連の特別報告者のマルコス・オレリャーナさんが3日に渡り沖縄の現状を視察しました。 オレリャーナさんは、PFASとアメリカ軍基地との因果関係は明らかで、汚染源の調査の壁になっている日米地位協定については、環境への対策が不十分で国際基準に即すべきとの考えをしました。 国連の特別報告者マルコス・オレリャーナ氏: 「2022年国連総会は、誰もが清潔で健康的かつ持続可能な環境に生きる権利を初めて正式に認めました。これには、汚染物質や有害廃棄物への曝露を防ぐ政府の義務が含まれます」 20日、那覇市で開かれたシンポジウムに出席した有害物質及び廃棄物に関する国連の特別報告者マルコス・オレリャーナさん。 18日に来県し人体に有害なPFASが高濃度で検出されているアメリカ軍基地周辺の水源や、問題の解決に取り組む市民団体とも意見交換しました。 基調講演でオレリャーナさんは、国際社会全体でPFASの問題に対応していかなければならないと訴えました。 国連の特別報告者マルコス・オレリャーナ氏: 「PFASは現在も研究が進められているテーマですが、既に十分な証拠があり、各国や国際社会が特定のPFASを規制し、段階的に廃止するための行動を起こしています」 シンポジウム後、県内での視察を終えて報道陣の取材に答えたオレリャーナさん。 PFASについて基地との因果関係は明らかだという見解を示しました。 国連の特別報告者マルコス・オレリャーナ氏: 「周辺には工業施設もなく、それらすべてが軍事施設とPFAS汚染との明確な因果関係を示しています」 また、PFAS汚染された水源や土壌の浄化について、国際的な環境対策の原則となっている『汚染者負担の原則』を挙げて、軍事活動が原則から免除されることはないと指摘し、汚染源がアメリカ軍基地だった場合は軍が浄化すべきという考えを示しました。 また、汚染源の特定の大きな壁になっている日米地位協定については、「1960年に発効されたもので環境への対策が不十分」と指摘し、現代の国際基準に即していくべきだとしています。 オレリャーナさんは日米の両政府に見解を求めたいとして、今回の視察なども踏まえ、2025年に軍事活動と毒物をテーマにした報告を国連に提出する考えです。
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