「オリオールズは菅野智之にもっと」 米メディア、投球を深掘り 「たとえ空振りを奪えなくても」
巨人から海外FA権を獲得した菅野智之投手(35)は、オリオールズと年俸1300万ドル(約20億3000万円)の1年契約を結んだ。米放送局マーキーSNのランス・ブロドゾウスキー野球アナリストは、菅野の各球種について21日(日本時間22日)までに深掘り。「オリオールズは菅野に変化球の割合をもっと増やすようプッシュするだろう」と予想した。 ◆ようこそ菅野智之…オリオールズ公式が歓迎ポスト【写真】 直球(4シーム)については「ストライクゾーンが70%超というのはクレージーだ」と制球を称賛しつつ、「『VAA』がマイナス5度以上といまひとつで、コースも真ん中近辺が多い。たとえ空振りを奪えなくても、もっと高めを使う余地がある」とした。 近年はスピン率より重視される傾向にある『VAA(Vertical Approach Angle)』は、リリースポイントと本塁到達点を結んだ1本の線の角度。地面と平行ならば0度になるが、投手はマウンドから投げ下ろすので基本的に角度はマイナスになる。マイナス4度以下だと打者はホップするように感じるとされる。 MLBデータ分析サイトの「Hiro‘s LAB」によれば、直球のVAAのメジャー平均は年々改善されており、2018年はマイナス5・1度だったが、今季はマイナス4・7度だった。 今季の直球(200球以上)VAAのメジャートップはサブマリン左腕のティム・ヒルで、マイナス3・33度。日本投手はカブスの今永昇太(マイナス4・17度)が44位、パドレスのダルビッシュ有(マイナス4・60度)が133位、ドジャースの山本由伸(マイナス4・64度)が151位だった。 また、菅野の直球について、同局は「大リーグ公式球を使うことで変化幅は小さくなるだろう。『iVB(スピンによる縦変化)』は日本での46センチから42センチに、横変化は日本での28センチから23センチ前後になると思われる」とした。 今季直球のメジャー平均はiVBが40センチで横変化は21センチとなっており、来季の菅野はともにメジャー平均を2センチ上回る数字になるという見立てだ。 ちなみに、前出の日本投手トリオの今季直球は、今永がiVB46・5センチ、横変化26センチ。ダルビッシュはiVB43センチ、横変化19センチ。山本はiVB40センチ、横変化18センチ。 最後に、今季直球のスピン率に関しては、メジャー平均2280rpm(回転/毎分)に対し、菅野は2318rpm。他は今永が2442rpm、ダルビッシュ2316rpm、山本2157rpmで、菅野とダルビッシュがほぼ同じ数字となっている。
中日スポーツ