“アプリ”で健康づくりを後押し 歩いた距離でポイントがたまる…抽選で地元の特産品や食事券が 背景に“市民の運動不足”や“検診率の低さ” 北海道旭川市
UHB 北海道文化放送
北海道旭川市は、市民の健康づくりのためアプリの運用を始めました。目標を達成しポイントをためると、地元の特産品などが当たるというものです。背景には旭川市が抱える“ある課題”がありました。
4月から運用が始まった「あさひかわ健幸(けんこう)アプリ」。歩いた距離や健康診断の受診歴などに応じてポイントがもらえ、抽選に応募することができます。
コメやラーメンなど特産品や地元で使える食事券、健康関連商品などが当たるというものです。 アプリは無料でインストールでき、すでに2000ダウンロードを突破。利用者は50代以上が4割を超えています。 「運動するモチベーションになるのではないか」(80代の旭川市民) 「ハードルは高いと思う。われわれの年代はアプリを操作すること自体が面倒」(70代の旭川市民)
旭川市が市民の健康づくりを後押しする背景には、市が抱える課題があります。 一つ目の課題は「市民の運動不足」。 旭川市が3年前に市民を対象に行ったアンケート調査では、健康のために特に取り組んでいないと回答した人が53.6%に上りました。 「運動するきっかけを作ってほしいのと、ポイントをためて応募する機能で楽しみながら取り組んでほしい」(旭川市保健所 渡辺 顕久次長)
二つ目の課題は「検診率の低さ」です。 アプリでは病院での検診などもポイント付与の対象になっています。 「旭川市は意外と健康診断を受けない傾向がある。全国的に見てもあまり受けられていない地域なので、少しでも役に立てれば」(森山病院 森山 領 理事長) 2021年度の旭川市のがん検診受診率は「肺がん」、「胃がん」ともに全国平均と北海道平均を下回っています。旭川市の森山病院では検診を受けるきっかけになればと、「がん検診」や「脳ドック」をアプリの協賛品として提供しています。 「旭川市がこのような事業に取り組んだのは、非常にうれしく評価できる。健康を保っていくことが、これからの時代ますます大事」(森山 理事長) アプリを活用して市民に楽しみながら運動してもらい、検診を受ける習慣をつけてもらいたい。 旭川市の取り組みは、功を奏するのでしょうか。
UHB 北海道文化放送
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