分かっているはずなのについ…認知症の母と過ごす悪戦苦闘と自戒の日々を赤裸々に 霧島市の会社員女性が体験つづり自費出版
鹿児島県霧島市国分の会社員福留湖弓さん(57)が、介護体験をまとめた著書「認知症の母と娘 桜色の日々を過(すご)したい」を自費出版した。母と接する中で感じたもどかしさを振り返り、「本を通じて、同じ境遇にある人々の気持ちが少しでも和らげば」と話している。 福留さんは2023年12月から84歳の母と同居している。介護生活で感じた思いをその都度スマートフォンにメモし、記録を基に執筆した。物忘れが激しい母の言動に悪戦苦闘する様子を赤裸々につづる。 母は毎朝、新聞で日付を確かめ「今日はデイサービスはあるかな?」と繰り返し聞いてきたり、「財布をなくした」と騒いで家中を探し回ったりする。福留さんは、それが認知症の仕業と理解しながらも、つい口論になってしまったことを自戒する。 経験を基に「自分だけで背負い込まず、デイサービスやショートステイなど施設の協力を得ることが大切」と訴える。本は全国の地域包括支援センターなど約40カ所に寄贈した。「まだ介護に接していない人にも手に取ってもらい、考えるきっかけになればうれしい」と話す。
178ページ、A5判。1100円。在庫は約80冊あり、メールarchkym@ezweb.ne.jpで購入を受け付ける。
南日本新聞 | 鹿児島
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