超高速磁気浮上式列車、山西省で試験走行開始
【東方新報】中国が開発中の「新型超高速磁気浮上式輸送システム・T-flight」が、このほど山西省(Shanxi)大同市(Datong)で試運転に合格した。実証実験に成功したことで、この列車は市場にまた一歩近づいたことになる。 この輸送システムの設計最高速度は時速1000キロ、現在の高速鉄道の約3倍、飛行機よりも速い。運行が開始されれば、北京-上海間の所要時間は約1時間に短縮される。 これは、現在北京-上海間を結ぶ最速の鉄道の所要時間(4時間18分)の数分の一で、約2時間かかる飛行機の所要時間の半分だ。 「社会経済の発展が進むにつれ、より速く、より快適な交通機関に対するニーズはますます高まっている。『T-flight』は、中国の中核都市の間に 『1時間の経済圏』を形成する役割を果たし、高速鉄道、民間航空、その他の交通手段とともに、国内の総合的な『3次元交通ネットワーク』を形成するでしょう」、山西省太原市(Taiyuan)で開催された「中国(太原)国際エネルギー産業博覧会2024」で11日、中国航天科工集团(CASIC)磁懸浮与電磁推進技術総体部の技術員はこのように説明した。 この超高速輸送は、低真空チューブと磁気浮上システムで構成され、まるで「地上の飛行機」とも言える画期的な技術によって実現している。 チューブから空気を抜いて低真空環境を作ることで、列車は空気抵抗を最小限に抑えて運行することができる。同時に、磁気浮上技術で車両と走行トラックが接触しないようにし、摩擦抵抗をさらに減らす。このように真空技術と磁気浮上技術を組み合わせることで、車両の速度が向上し、騒音や振動も減少するという。 このプロジェクトで使用される超伝導磁気浮上技術は、車両を走行トラックから100ミリ浮かすことができ、現在中国で運行中の磁気浮上式鉄道の10ミリ浮上と比較して、速度と安定性を高めることができるのだという。 このプロジェクトは2021年9月の開始以来、大きな進展を見せている。大同市陽高県(Yanggao)で最近行われたテストでは、走行チューブ内を2キロにわたって低真空環境にした。そして車両は設計ルートに沿って出発、安定した浮上を維持しながら、安全に停止した。 同集団は「最高速度と浮上の高さは事前の設定値を満たし、全てのシステムが正常に作動し、実際の軌道は理論値とよく一致した」と発表している。(c)東方新報/AFPBB News ※「東方新報」は、1995年に日本で創刊された中国語の新聞です。