履正社・岩崎が昨夏決勝の「経験値」を発揮 夏春連覇の夢消えるも 交流試合
◇岩崎峻典投手(履正社・3年) 2020年甲子園高校野球交流試合は第4日の15日、兵庫県西宮市の阪神甲子園球場であり、昨夏の甲子園決勝と同じ顔合わせとなった第1試合は昨夏覇者の履正社(大阪)が10―1で星稜(石川)に大勝した。 【写真】昨夏の甲子園決勝再現 履正社に軍配 最後の打者を打ち取ると、仲間とグラブでタッチして喜びを表した。大観衆の中で優勝投手になった昨夏とは違う甲子園。「(星稜とは)昨年は春に負けて、夏に勝って1勝1敗だった。勝って、強さを証明したかった」。雪辱を狙った相手を返り討ちにした。 2点先取後の一回1死一、二塁で迎えた危機。昨夏の決勝と同じ4番に座る星稜・内山に立ち向かった。内外角にきっちり制球して追い込み、最後は外に逃げる低めの変化球でバットに空を切らせた。続く昨夏の準優勝メンバーの知田も、141キロの直球で捕邪飛に。その後も連打を許さない安定感で、三回に犠飛で1点を失ったものの、被安打6で完投した。 昨夏の甲子園では、1完投を含む4試合に登板。決勝では同点の七回2死一、二塁のピンチから無失点で好救援し、チームの全国制覇に貢献した。今年はエースとして甲子園に戻ってくるはずだったが、新型コロナウイルスの影響で春夏の甲子園が中止に。夏春連覇、夏2連覇の夢もついえた。 それでも、気持ちを入れ替え、挑んだ最後の試合。「今年の夏も(甲子園で)負けずに終われて良かった」。全国制覇と交流試合という激動の1年を戦ったエースがプライドをにじませた。【新井隆一】