日仏で大規模ロケを敢行。3年越しの夢を叶え、“縁を結んだ”「岸辺露伴 ルーヴルへ行く」
日・仏ロケに完全密着! 制作チームのこだわりが伝わる貴重な映像特典
7月26日にリリースされるBlu-rayとDVDの豪華版には、映像特典として、日仏ロケに長期密着したメイキング映像や、映画完成報告イベント、公開記念舞台挨拶に加え、高橋一生、飯豊まりえ、木村文乃、長尾謙杜のインタビューも収録。さらに、初回限定生産特典として、特製ブックレットやアクリル製ポストカードスタンド、ポストカード2種セットも封入されるほか、豪華版・通常版共に、高橋一生、飯豊まりえ、木村文乃、渡辺一貴監督による、本音と撮影裏話が満載のオーディオコメンタリーも収録されているというから、必聴だ。 1時間48分にも及ぶ長尺のメイキング映像では、日本とフランスでの撮影の舞台裏がふんだんに記録されており、それぞれのキャストの素顔も垣間見ることができるのが興味深い。なかでも特に印象に残ったのは、“ヘブンズ・ドアー”で顔が本になった状態の木村文乃が、「やっと仲間入りできた感覚」と喜んでいるシュールな光景や、祖母役の白石加代子のクランクアップを聞きつけた長尾謙杜が、ロケ地である旅館のなかを右往左往して駆けつける微笑ましい姿。2階建てバスの中からパリを観光するシーンでは、凱旋門の周りを約50周して撮影したことや、クライマックスで写真のなかに登場する「京香が5歳の時に亡くなった父親」は、実は渡辺一貴監督が演じているというのも本作におけるトリビアと言えるだろう。 映画撮影のために貸し切りにされたルーヴル美術館の中の「モナ・リザ」の絵の前で実施したインタビューにおいて、高橋一生が、かつてNHKの大河ドラマ『おんな城主 直虎』で1年間を共に過ごした渡辺監督と、3年前に『岸辺露伴は動かない』でふたたびタッグを組む際、「ルーヴル(へ行く)がやれたらいいね」と話していたことがついに現実になり、「監督やスタッフとの3年の歩みを考えざるを得ない」と感慨深げに振り返る姿にも心打たれた。 菊地成孔&新音楽制作工房による音楽や、人物デザイン監修・衣裳デザインの柘植伊佐夫による造形。礒貝さやかによる美術など、「岸辺露伴~」の制作チームのこだわりの仕事ぶりを、メイキングやインタビュー映像のなかで出演者たちが語るコメントを通して知り、観直すたび新たな発見ができるのも、Blu-ray&DVDならではの楽しみ方であると言えるだろう。原作を心から愛する人たちが、それぞれの持ち場でクリエイションを最大限に発揮し、魂を込めて作り上げていることが手に取るように伝わってくる、充実した特典となっている。 文=渡邊玲子 制作=キネマ旬報社
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