【高校野球】石川・小松商が8強入り…エース喜友名和輝が“計測不能の”スローボール
◆春季高校野球石川県大会 ▽3回戦 小松商4-2輪島(30日・石川県立) 3回戦4試合が行われ、小松商は4-2で、シード校の輪島を破って8強入りを決めた。初回には4安打、2四球などで一気に3得点。安定感のあるエース左腕、喜友名(きゆな)和輝(3年)が好投し、7安打、9三振で完投勝利した。竹田佐太雄監督は「今年はけが人や病気もなく、各選手が順調に成長した。守備も良くなってきました」と明るい表情を見せた。 制球力抜群のエース、喜友名が、驚きの超スローボールを見せた。伸びのあるストレートと、90キロ台のスローカーブで緩急を付けて相手打者を翻弄。さらに推定60キロ台のスローボールも投げ込んで惑わせた。普段の練習試合でも遅すぎてスピードガンの表示が出ず、球場の球速表示もなし。指揮官は「訳のわからないボール」と苦笑するが、喜友名は「遅い球はコントロールが難しい。小学校から投げていますが、去年から実戦で使っています」と胸を張った。 低反発バットの弱点を突いた。「遅いボールは、バッターがうまく打たないと飛ばない。低反発になったことで、打ち取れるようになりました」と自信を付ける。冬場は生命線の制球力を付けるため、スクワット、デッドリフト、走り込みなどで下半身を徹底強化。周囲からは「野球小僧」とも言われ、熱心に投球術を研究。実戦形式の練習では、各打者に感想を聞きながら変化球を磨いてきた。 父は沖縄県出身で、喜友名は珍しい名字だが「1回で読める人はほとんどいないですが、珍しいのですぐに名前を覚えてくれます」と喜友名。次戦では優勝候補筆頭の星稜を倒し、名を広く轟かせる。(中田 康博)
報知新聞社