法務省の石看板に“赤色のスプレーを噴射した”40代男性。「信じられない動機」が裁判で明らかに
検察官は懲役1年6か月を求刑
検察官は、本件犯行は落ちにくい油性を選び、まんべんなくしっかりと噴きつけており悪質と指摘。動機も自己の怒りに任せた短絡的なもので、損害額も高額であるのに弁償もみられないとして、実刑を示唆する文言とともに、懲役1年6か月を求刑。 一方で弁護人は、犯行は自身の記憶がフラッシュバックをしてとっさに犯行に及んだと偶発的で計画性がないと弁解し、寛大な処分を求めた。 最後に男は、「今後、同じようなことをしないように、社会で長く生きていけるように努力していきたいなと思っています」と陳述。
判決の結果は
6月25日の判決公判で、石川貴司裁判官は犯行の悪質性や再犯であることなどを指摘し、懲役1年の実刑判決を言い渡した。 当初は、政治的な犯行とみられたが、真相は全く異なるものであった今回の事件。「なにが再犯防止だ!」、「なにが人権尊重だ!」と怒り狂った男は、再度“ドロボー呼ばわりされた”刑務所へと戻ることとなってしまった。 文/学生傍聴人 【学生傍聴人】 2002年生まれ、都内某私立大に在籍中の現役学生。趣味は御神輿を担ぐこと。高校生の頃から裁判傍聴にハマり、傍聴歴6年、傍聴総数900件以上。有名事件から万引き事件、民事裁判など幅広く傍聴する雑食系マニア。その他、裁判記録の閲覧や行政文書の開示請求も行っている。
日刊SPA!