注目の逸材!話題の女優・河合優実の魅力にハマる映画7選
『愛なのに』(2022)
今泉力哉と城定秀夫が互いに脚本を提供し合いR15+指定のラブストーリーを製作するコラボ企画“L/R15”の1本。こちらは今泉の脚本版。古本屋の店主に女子高生が求婚するものの彼には忘れられぬ女性がいて……。登場人物がほぼ全員、片思いのラブコメディー。河合は同年代の男子には目もくれず、なぜか瀬戸康史ふんするくたびれた男性に猛アタックする高校生。河合と瀬戸の会話の相性が抜群で、彼女の口調が落ち着いているほど、慌てふためく瀬戸が面白く見える構造。「RoOT / ルート」の坂東龍太も然り、丁々発止の会話劇でも河合の演技力は冴え渡る。
『PLAN75』(2022)
75歳以上の人が死を選ぶことができる制度「プラン75」が施行された架空の日本を舞台にした現代版“姥捨山”。カンヌ国際映画祭では「ある視点」部門に選出、カメラドール(新人監督賞)スペシャルメンションを授与された。河合は倍賞千恵子演じる主人公ミチに仕事として、「プラン75」を勧めながら、制度に疑問を抱くコールセンターの女性、成宮瑶子役。事務的な声とは裏腹に人知れず、揺れ動く感情を微細な顔の動きで表現。電話でのやり取りだけで、ミチと不思議な友情が育まれていることが見てとれる。監督には河合自ら、さまざまなアプローチを提案したとか。
『冬薔薇』(2022)
阪本順治監督が主演の伊藤健太郎をイメージして脚本を書き下ろしたオリジナル作品。欲に塗れ、一度は堕落した若者が再生しようと足掻く姿を描く。河合は主人公・淳の属する不良グループのリーダーの妹、智花役。誰も歯向かえない兄・輝にも堂々と意見する肝の据わった役どころで、わかりやすい派手な装いでないからこそ伝わってくる立ち居振る舞いが迫力満点。とある事件に巻き込まれる淳のいとこ、貴史役で坂東龍汰も出演している。ベテランから若手まで、日本映画界を代表する実力派揃いのキャスティングでそれぞれが凄みを感じさせる演技を披露している。
『サマーフィルムにのって』(2021)
時代劇マニアの女子高生が寄せ集めの仲間たちと夏休みをかけて、時代劇映画を撮影する青春映画。時代劇×SFをポップに軽やかに映し出す。河合は祷キララ演じる“ブルーハワイ”とともに伊藤万理華演じる主人公・ハダシの映画をサポートする親友・ビート板役。天文部でSF好き、誰よりも賢く、周りを見ているビート板はいち早くハダシの恋心に気づきながら、自分の感情には無関心。そんな彼女が自らの失恋にふと気づいてしまう、ほろ苦いエピソードは数分ながら心、揺さぶられる。3人の仲良さがスクリーンから溢れ出んばかりで、愛らしい。メガネ女子で青春を謳歌する河合はレア。
『由宇子の天秤』(2021)
いじめ自殺事件の真相を追うドキュメンタリーディレクターの由宇子が自身の父のスキャンダルを目の当たりにし、隠蔽しようとする。河合は貧困のために塾の月謝が払えず、経営者である由宇子の父と関係を結んだ挙句、望まぬ妊娠をしてしまう女子高生、萌役。保身のために彼女を監視しようと近づく由宇子(滝内久美)の思惑を知らず、無防備に信頼した結果、突き通される萌の悲劇から目が離せない。大人でも子どもでもない彼女の儚さ、危うさ。ベルリン国際映画祭パノラマ部門に出品され、本作と『サマーフィルムにのって』の演技が認められ、河合は多くの新人賞を受賞した。