西日本豪雨でホタルが消えた町 6年を経て復旧した護岸と、地域住民の心を照らす「ほたる祭り」【広島発】
祭りの夜に、雨の中を舞うホタル
祭りが始まって2時間が経った午後7時過ぎ、雨が激しくなってきた。しかし人々が帰る様子はない。傘をさし、雨の中でも祭りの盛り上がりは続いた。 そして暗くなると、会場に飾られた「竹あかり」の光が闇に浮かび上がった。 土砂災害でいなくなったホタルの代わりに思いついたのが、竹あかりだった。地元の有志らが地域の竹を使って手作り。竹の中にろうそくを仕込んだ竹あかりは雨のために消えてしまったが、LEDの竹あかりは独特な輝きを放っていた。 竹にいくつも穴を開けて曲線や花模様を描き、そこから光がこぼれている。「HAPPY」などメッセージが彫られている竹もあった。 メッセージをみた人たちも「HAPPY?」「ほんとだHAPPYって書いてある。すごいね」と感動していた。 竹あかりの先に、ホタルの観賞スポットがある。川沿いに続く真っ暗な道。しかし、この土砂降りの雨の中でホタルは現れるのだろうか。 「今、光った!あそこにいるよね」「2匹くらいいる!」と子どもたちの話し声が聞こえてきた。 「あそこ!今、飛んでいる」 「ほんとだ!あっちも光った」 「ホタルが見られてよかった」 雨にもかかわらずホタルは舞っていた。はかなくも、確かな明日を照らしてくれる灯火。災害から6年、以前の町を取り戻そうとがんばってきた人々をねぎらうような優しい光だった。 (テレビ新広島)
テレビ新広島