<私の恩人>「笑い飯」哲夫、“怖い先輩”のメッセ黒田が胸を貸してくれた
いよいよどうしようかと思ってたら、礼二さんがパッとこっちを向いて「ところで、お前、それ、何飲んでんねん?」と。「いや、これ、飲みものちゃいますねん。吐きものなんです」というやりとりが生まれるくらい恐い先輩だったんですけど、そんな礼二さんも黒田さんと一緒やったらおとなしくなるほど、黒田さんは“呑み番長”やったんです。 黒田さんから学んだこと。…ま、ほとんどアンチテーゼが多かったんですけど(笑)、“よく笑ってくれる”“好きなようにイジらせてくれる”、これは今でも僕が後輩に対して心掛けていることなんですよね。当時、黒田さんからよく言われたのが“かかってこい”という言葉でした。別に、後のトラブルをイメージさせるような暴力的な意味で言うてるんじゃなく(笑)、笑いの面でかかってこいと。どれだけお前らがかかってこようが、オレは負けない。だから、いつでもかかってこいと。堂々と胸を貸してくれる人、目標となってくれる人がすぐ横にいる。これは、自分が先輩の立場になった今考えると、すごく、すごく大きなことやと思います。 あと、細かい話になるかもしれませんが、先輩に対してのツッコミ方、これは直接的に勉強させてもらいました。先輩がボケた時に、どういう言葉でツッコんだらエエのか。言葉尻が敬語になったらおもしろくない。ただ、あまりにもぶっきらぼうに、ぶしつけな言葉でも笑えない。周りがツッコミだと分かって、先輩も楽しくなってくれる。これって、実はすごく繊維な部分なんです。そこを“火薬庫”みたいな人を相手に(笑)、何年も勉強させてもらった。今の大きな自信になっています。 僕は先輩に対してぶしつけな言葉をあえてぶつける“失礼ボケ”みたいなことをよくやりますけど、黒田さんとの時間を経て、自分の中で“失礼ボケは3回まで。それ以上は本当に失礼になる”というルールもできました。こういう一つ一つを勉強させてもらってきたんですよね。