不適切な党員登録100人 自民・田畑衆院議員 「政治とカネ」また疑惑 関与、議員辞職は否定
●質問の大半「調査中」 自民党の田畑裕明衆院議員(富山1区)は18日、富山市内で会見し、事務所で管理する党員727人のうち100人前後の不適切な党員登録があったと明らかにした。一部企業の社員を無断で党員として登録し、党費に企業献金を充てたとする一部の報道について自らの関与は否定した。質問の大半に対しては調査中だとして回答を避けた。議員辞職は否定した。「政治とカネ」の問題でたびたび批判を受けてきた田畑氏に新たな疑惑が浮上した格好だ。 ●富山市内で会見 田畑氏は党員登録の疑惑について9月下旬に調査を始め、まだ途中の段階だとし、不適切な党員登録は特定の一事業所の関係者が対象となっていた可能性があるとした。「不適切」の具体的な内容は明確に答えず「適正な党員登録ではないという意味」と述べた。 党員登録を巡っては、田畑氏と支援者の電話の音声データが報じられた。この中で田畑氏は、支援者が勤める企業の従業員名簿を基に無断で党員登録し、企業から自身が支部長の党県第1選挙区支部への寄付を党費に充てたと説明。架空の人物とみられる登録もあったと話したとされる。 田畑氏は会見で、音声データは10月上旬の自分の電話だと認め、相手は長年の支援者だとした。電話の内容に関しては「調査の当初の段階で、私が憶測による見立てを話した。誤った認識もあったと推察される」と釈明。本人に無断で党員登録したかどうかや、企業献金を充てたかなどの質問に「調査して回答する」と繰り返した。 音声データでは田畑氏が口裏を合わせるよう依頼したと取れる発言もあったと指摘されたが、田畑氏は隠ぺいの意図を否定し「本人との関係性から甘えがあった。勝手な判断で、慌てての発言だったのかなと思っている」とした。政治資金収支報告書への不記載の疑惑にも明言を避けた。 質問に対し「調査中」と連発して具体的な回答はほとんどなく、記者から「何のために会見を開いたのか」との質問が飛んだ。田畑氏は第三者を入れて調べていると強調し「速やかにしっかりと調査する」と述べた。 田畑氏は党派閥裏金事件で収支報告書の不記載が発覚。政治資金パーティーの案内状に「ご入金のみ」と記載したことなどでも批判を浴びた。10月の衆院選では信頼回復に努めると訴え、738票差で競り勝って5選を果たした。進退を問われ「しっかり職務にまい進する」と答えた。