青木崇高「怒り狂うシーンは疲れる」大阪・西郷どん展で
幕末維新150年を記念し、放送中のNHK大河ドラマ「西郷どん」にちなみ、維新の立役者のひとり西郷隆盛の生涯に迫る展覧会「西郷どん展」が28日、大阪市中央区の大阪歴史博物館で始まった。前日の内覧会に、ドラマで西郷との対立ぶりが話題を呼ぶ島津久光役の俳優、青木崇高さんが登場。「久光が怒り狂うシーンはけっこう疲れる」と、ユーモアを交えて撮影秘話を披露した。 軍人・西郷隆盛を育んだ、薩摩藩独自の「郷中教育」の実態とは?
西郷隆盛の波乱万丈の生涯に迫る
英雄西郷はイメージの大きさに比して、全体像はあまり知られていない。薩摩(鹿児島県)の下級武士の家に生まれた西郷が試行錯誤を経て成長し、維新の立役者となるも西南戦争で戦死するまでの波乱万丈の人生を、時系列で見渡していく構成だ。 藩主の斉彬、国父の久光、薩摩と幕府をつなぐ篤姫、2番目の妻となる愛加那、幕府の勝海舟、長州の木戸孝允、土佐の坂本龍馬。転機の節目ごとに出会う多彩な人物ゆかりの展示物と向き合いながら、西郷の足跡や息づかいを追う。 京にある屋敷の平面図「御花畑絵図」。御花畑とは有力公家の別邸で、薩摩藩の準藩邸的役割を担っていた。最新の研究成果で、御花畑が西郷や木戸らによる薩長同盟締結の歴史的舞台となったとする説が有力になりつつある。幕府を解体へ追い込む「討幕の密勅」や官軍を鼓舞する「錦旗」に、幕末の臨場感が漂う。 「敬天愛人」。天を敬い、人を愛す。西郷の人となりを示す座右の銘が、静かで濃密な存在感を放つ。明治期に西郷が着用した軍服が展示され、体格が推定できるという。身長は約180センチ、体重は110キロ。現代でもラグビー選手にしたいくらいの堂々たる巨漢サイズだ。
「久光の怒りシーンはけっこう疲れる」
内覧会にドラマで島津久光を演じる青木崇高さんが登場。国父として絶対的権力を握る実力派ながら、家臣の西郷を激しく責め立てる暴君キャラぶりが話題を呼ぶ。 久光コーナーの前で報道陣の取材に応じ、撮影の苦労話を聞かれ「久光が怒り狂うシーンは、けっこう疲れる。モチベーションを高めるため、怒りの原因を探す。たとえば頭部がかゆかったら、『頭がかゆいぞ吉之助!』と、怒りを西郷にぶつける感じですかね」と、笑いを誘いながら独自の怒り演技論を展開する。 対立する西郷に関しては「調べると、西郷も相当の暴れ馬。主君である久光は暴れ馬を手なづけようとしてきつく当たったのではないか。島流しには自重せよいう意味合いがあったかもしれない」と、冷静に分析。 「西郷にはカリスマ性がある。久光は西郷が薩摩には大事な人材と認めつつも、個人的には大嫌い。結果的に葛藤しながらも西郷を重用していく。ふたりの人間関係がドラマを豊かにしている」と、『青木久光』ならではのサイドストーリーを披露した。