FA人的補償も…期待外れに終わった指名選手6人
昨年からシーズンオフを賑わせている「人的補償」。言葉としてはマイナスイメージを抱かれやすいものの、実際には活躍を期待されての移籍となる。しかし、これまでの歴史を振り返ってみると、移籍後も苦しむ選手が数多くいた。そこで今回は、人的補償で他球団に移籍したものの、思うような結果を残せなかった選手を取り上げる。
竹安大知
投打:右投右打 身長/体重:183cm/83kg 生年月日:1994年9月27日 経歴:伊東商 - 熊本ゴールデンラークス ドラフト:2015年ドラフト3位 阪神タイガース、オリックス・バファローズの2球団でプレーし、2023年に現役を引退した竹安大知も、人的補償で移籍も苦しんだ選手の1人だ。 伊藤商業高校時代からプロ注目の存在だった竹安。卒業後は社会人野球の熊本ゴールデンラークスで野球を継続。スーパーでの経理業務を担当しつつ実力を高めていき、2015年ドラフト3位で阪神に入団した。 プロ2年目にはファームで好投を続け、一軍初昇格。プロ初登板初勝利をマークするなど大器の片鱗を見せた。 その後はファームを主戦場としたが、2018年オフに西勇輝のFA移籍に伴う人的補償で、オリックスへの移籍が発表。移籍1年目には一軍で10試合に先発登板し、プロ初完封を含む3勝2敗、防御率4.50という成績を残した。 翌年以降の飛躍が期待されていたが、けがの影響もあって登板数が徐々に減少。目立った成績を残せず、2023年限りでユニフォームを脱ぐこととなった。
内海哲也
投打:左投左打 身長/体重:186cm/92kg 生年月日:1982年4月29日 経歴:敦賀気比高 - 東京ガス ドラフト:2003年ドラフト自由枠 まさかの形で埼玉西武ライオンズに移籍となった内海哲也も、成績面では苦しんだ選手だ。 敦賀気比高校時代から世代屈指の左腕として大きな注目を集め、オリックス・バファローズからドラフト1位指名を受けたが、入団を拒否。 社会人野球の東京ガスを経由して読売ジャイアンツに入団。高卒3年目に早くも2桁勝利(12勝)を挙げた。変化球を織り交ぜながら奪三振も多く記録し、2007年に最多奪三振のタイトル(180個)も獲得している。 その後も2年連続で最多勝に輝くなど、巨人のエースとして長きにわたって活躍した内海。ところが、炭谷銀仁朗のFA移籍にともなう人的補償で、西武への移籍が決定。功労者の移籍に世間が騒然とした。 移籍1年目は一軍登板なしに終わり、最終的に西武で挙げた勝ち星は2つ。巨人時代の実績を考えると物足りない数字だったが、経験・知識を若手に与えた面では、影の功労者と言っていいかもしれない。