危険運転の適用拡大を議論 法務省、有識者検討会を設置
法務省は19日、重大な交通事故を防ぐため、危険運転致死傷罪の要件見直しについて議論する有識者検討会を設置すると発表した。法定速度を大幅に超える高速走行や、信号無視による事故などに同罪が適用されないケースがあり、批判が出ていた。検討会はこうした悪質な運転行為への適用拡大の是非を話し合う。見直しが必要と判断されれば、自動車運転処罰法の改正が視野に入る。 検討会は委員として事故遺族も参加し、刑事法の研究者や検察官、裁判官、弁護士らで構成される予定。2月下旬にも初会合を開く。 現行の危険運転致死傷罪は高速運転に関し「進行の制御が困難な高速度」との要件を設けている。制御困難との認定にはハードルがあり、津市で2018年、法定速度60キロの道路を時速約146キロで走行した車の事故で、裁判所は同罪の成立を否定した。検討会では、大幅な速度超過に適用しやすくする要件の整理が議題になりそうだ。 信号無視への適用は「殊更に無視」したことの立証が必要だが、「殊更の文言は不要ではないか」との指摘がある。