何を変えようとしている?自民憲法草案(5)権利と義務 新しい人権
第24回参院選の争点のひとつが、憲法改正です。現行の憲法をどのように変えようと考えられているのか、中身はあまり知られていません。そこで、2012年に自民党がまとめた「日本国憲法改正草案」を基に、テーマ別に現憲法との違いを取り上げていきます。 5回目は、前回に続き、第3章「国民の権利及び義務」の変更点をみていきます。
新しい権利の追加
草案は新しい権利が入っています。法の下の平等を記した現行の憲法第14条は、「人種、信条、性別、社会的身分又は門地」による差別を禁じていますが、そこに「障害の有無」を書き加えています。 ほかに草案は、「個人情報の不当取得」禁止、「犯罪被害者及び家族」の人権・処遇の配慮を追加。29条「財産権」には、「知的財産権」が入れられています。また、国外で緊急事態が生じたときの「在外国民の保護」を明記しました。 現行の26条「国民の等しく教育を受ける権利」と、子供に「普通教育を受けさせる義務」に、草案は「国が教育環境の整備に努めなければならない」という条文を加えています。