娘の結婚相手は25歳で「貯金ゼロ」だそうです。カードローンも利用しているようで、かなり心配です…。20代でこのままでも生活できるのでしょうか?
娘の結婚を考えている相手が「貯金がなくカードローンを利用している」と聞いたとき、多くの親御さんが不安を感じることでしょう。お金が全てではありませんが、結婚は人生の大きな転機であり経済的な基盤は安定した家庭を築くうえで重要な要素です。 本記事では、20代の貯蓄事情や借り入れの利用状況、貯金がない男性と結婚して生活していけるのかについて解説します。
20代の貯蓄事情
金融広報中央委員会の「家計の金融行動に関する世論調査[単身世帯調査](令和5年)」によると、20代で金融資産を保有している割合は56.1%、保有していない割合は43.9%でした。 また、金融資産保有額を見ると、平均値は121万円、中央値は9万円でした。平均値は保有額が極端に高い人に引っ張られる傾向にあるため、中央値を参考にした方がよいでしょう。この調査から分かることは「貯蓄のない20代は珍しくはない」ということです。 なお、年収によっても金融資産保有額は異なるようです。20代の年収別の金融資産保有額は表1の通りです。
出典:金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査[単身世帯調査](令和5年)」を基に筆者作成 年収が多い人ほど貯蓄額は高くなる傾向にあるため、結婚相手の収入がどのくらいあるのかもポイントとなるでしょう。
20代の借り入れの利用状況
同じく金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査[単身世帯調査](令和5年)」によると、20代で借入金がある方は12.4%、借入金がない方は87.6%でした。借入金のある20代のうち、借入金残高別の割合は表2の通りです。
出典:金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査[単身世帯調査](令和5年)」を基に筆者作成 なお、中央値は50万円、平均値は155万円でした。20代で借り入れがある人は多いとはいえませんが、50万円程度の借り入れをしている人もいることが分かります。
貯金なしで借り入れがあっても生活できる?
貯金なしでカードローンを利用している人との結婚は、将来に対する備えが十分にできないため大きな支出があった場合に経済的に困る可能性があります。 しかし、20代の単身世帯のうち、約40%は金融資産がないため、貯金なしで結婚する人は珍しくはないといえます。現在の貯金よりも、結婚式やマイホーム購入などの大きなイベントに備えて少しずつ貯金をしていくことが重要でしょう。 また、カードローンを利用しているということは、収入と支出のバランスがうまくとれていない可能性が考えられます。しかし、結婚後、共働きで家計を支えたり節約をしたりすることで、収支のバランスを安定させられるでしょう。結婚した時点でカードローンがある場合でも、少しずつ返済できれば生活には問題ないといえます。 貯金がなくカードローンを利用しているからといって、結婚しない方がよいとはいい切れません。しかし、将来を考えたときに経済的な基盤が整っていた方がよいことを娘に伝える必要があるでしょう。また、これから貯金を増やすために、計画を立てる重要性について話してみるのもよいかもしれません。