高学歴の新入社員ほど“繊細”なのはなぜか? 「怒られ慣れていないので自分の過失を認めなかったり、逆に攻撃的になったりする」
「高学歴ゆえの繊細さ」とどう向き合うべきか
ここまでの話を踏まえると、考えておかなければならないのは、 「高学歴は怒られ慣れていない場合が多く、慣れるまでは自分の過失を認めなかったり、こちらに対して攻撃的になったりしてしまう場合がある」 ということです。もちろんどれくらいの人に当てはまるかはわかりませんし、学歴だけが関係する話ではないとは思うのですが、しかし僕の所感を言えば、「高学歴は怒られ慣れていない」という特徴があると、自信を持って言えます。 その上で、高学歴と一緒に仕事をする側ができることは何なのでしょうか? 僕が考えるに、 ・「高学歴に何か指摘をする際には、『バッド』ではなく『ベター』を伝えること」 ・「高学歴に対しては、指摘した後に落ち込んでいないかを特に念入りに確認すること」 この2点です。 まず、「『バッド』ではなく『ベター』」というのは、簡単な言い方の問題です。 「ここがダメだったね」「ここはよくないね」という言い方でダメ出ししてしまうと、高学歴の人は「ダメだったんだ……」と、普通の人よりも過度に、否定されたような気分になる場合があります。 ですから、「ここ、もっとこうすればよりよいものになると思うよ」「ここの部分だけ、こうしてほしいな。それ以外は大丈夫」というように、同じダメ出しでも「よりよくするために」という言い方をするのです。 「テストでは100点満点を取りたい」と考えている高学歴に、「あなたのテストは100点じゃなかったよ」と言ってしまうと、たとえそれが99点であってもストレスを感じます。それよりも、「100点満点だけど、120点にする回答はこうだよ」と言ってあげた方が、心地よく話を受け止められる場合が多いんです。 ですから、「よりよくするために」という語り口を、ぜひ心がけてあげてください。 文/西岡壱誠 ---------- 西岡壱誠(にしおか いっせい) 1996年生まれ。偏差値35から東大を目指すも、現役・一浪と2年連続で不合格。崖っぷちの状況で開発した「思考法」「読書術」「作文術」で偏差値70、東大模試で全国4位になり、東大合格を果たす。そのノウハウを全国の学生や学校の教師たちに伝えるため、在学中の2020年に株式会社カルペ・ディエムを設立し、代表に就任。著書に『「読む力」と「地頭力」がいっきに身につく 東大読書』 (東洋経済新報社)、『教えない技術 「質問」で成績が上がる東大式コーチングメソッド』(星海社)などがある。 ----------