小池知事定例会見5月19日(全文1)東京の緑を総量をこれ以上減らさない
長期的な観点からESGの概念について
2点目でありますけれども、長期的な観点からESGの概念。この言葉ですけれども、近年はよく企業経営においても使われている言葉でございましてEはEnvironment、SがSociety、それからGがGovernanceと、この環境、社会、そしてガバナンスに配慮した経営戦略を展開するというものでございまして、このESGの考え方を取り込みまして、都市づくりを進める。そして東京の持続的な発展を目指すというのが2つ目のポイントでございます。 それから3つ目でありますけれども埋もれている地域の資源、山ほどございます。物づくりの技術、こちらも山ほどございます。こういったたくさんの宝物を掘り起こすということで、東京ならではの価値を創造していくということを盛り込んでおります。
農地の保全、木造住宅密集地域の解消をスピードアップ
4つ目でありますが、「みどりを守り、まちを守り、人を守る」という観点から農地の保全、木造住宅密集地域の解消、これをスピードアップいたします。そして多様なコミュニティーの創出などに取り組んでいくとしております。この、「みどり」につきましては、東京の緑を総量としてこれ以上、減らさない。この明確な方針を打ち出していきたいと考えております。緑は失うときはあっという間に、ぼこっとなくなりますけれども、それをまた確保するというのは大変な時間がかかるものでありますので、ここは東京の緑を減らさないということをしっかりと肝に銘じるという、そこが必要なのではないかという考え方に基づいてこういった、全てで4つでありますけれども、これらを目指すべき都市像といたしました。 題しまして活力とゆとりのある高度成熟都市でございます。活力そしてゆとり。高度成熟、このキーワードを盛り込んだところでございます。将来を見据えまして、こうした都市づくりを進めていくためには活力にあふれる拠点づくり、それから自由自在な交流を実現すること、さらには防災、エネルギー対策などなど、分野はそれぞれ別々ですけれども、分野横断的な7つの戦略をこのように掲げております。これらの戦略では将来像に向けまして、これまでの延長線上を越えた取り組みも具体的にお示しをしているところでございます。 それから今日から6月19日までの1カ月間でございますが、パブリックコメントを実施いたしますので、都民の皆さま、関心のある方々にはぜひご意見を頂戴したいと思います。それから併せまして将来の都市像といたしました、活力とゆとりのある高度成熟都市。このサブタイトルも皆さま方からお寄せいただきたいと考えておりますので広く多くの都民の皆さま方のご意見をいただきたいと存じます。 2040年代というのを想定いたしますと東京2020大会を小学生、中学生、高校生として迎える世代がそのころには社会を担うという、そのことが計算できるわけですね。で、この東京大会を通じて世界を感じた次の世代、次世代に活力、ゆとり、潤い、これらがそろった都市空間、それから質の高い豊かな生活を確実につないでいく、そのためのグランドデザインを描きまして着実に都市づくりに取り組んでいきたいと、このように考えております。 これまでもこのような都市づくりについてはいろいろと研究されてきたところでございますが、今回は2020年のオリンピック、それからBeyond2020で実行プランをお示しいたしております。それに加えて今度はさらにその先の2040年という、そのようなタイムスパンでこの東京のあるべき姿っていうのを描いたところでございますので、お知らせをしておきます。 次にこれも時代とともにという1つのテーマかもしれませんが、江戸が東京に変わりまして150年の節目を祝うことといたします。来年ですが平成30年、これは江戸から東京への改称、つまり東京府が開設されてから150年の節目を迎えるという記念すべき年でございます。で、そのためのイベント、それから特別展示など、さまざまな事業を展開いたしまして、この節目を都民の皆さんと共にお祝いをしたいと考えております。 東京、これまで蓄積した文化や歴史、技術などなど都市としての魅力や力をこの際、再認識をいたします。そして東京への愛着や2020年大会に向けた一体感を醸成していきたいと考えております。それからこれまでの蓄積を将来に引き継いでいくという意味で若い世代にも訴え掛けまして、新しい技術も紹介をし、2020年のその先に向けた、未来にも向けた取り組みにしていきたいと考えております。 事業の展開に当たりましてはその支出が、資するものかどうかといった観点から各局の事業を有効に活用していきたいと考えておりますし、また、東京の区市町村、それから民間企業、団体の皆さまなどの協力を得て、国などが推進します明治150年の関連施策があるんですけれど、これとも連携をしまして多彩な取り組みにしていきたいと考えております。来週にも庁内の検討組織を立ち上げますので都民の皆さんに喜んでいただける、そして歴史を感じていただける、誇りを持っていただける、そんな魅力的な施策を積極的に展開していきたいと思っております。