結成38年目の"最遅"武道館公演を成し遂げたニューロティカのATSUSHIが語る「武道館は絶対味方 をしてくれる」
■「バンドやってて良かったな」 ――終わったときにはどんな感触がありました? アツシ 「やったね」っていう感じはありました。最初は否定してましたけど、やって良かったです。最高でした。 その日の夜も大変だったんですよ。コロナでなかなか会えなかったバンドマンがみんな打ち上げで来てくれて。200人以上だったかな。2次会の会場も何ヵ所かに分かれて、そこをハシゴして。楽しかったです。 ――いろんなジャンル、いろんな世代のバンドマンが集まったという意味でも感慨深いものがあった。 アツシ 開演前のBGMも友達のバンドの曲にしてたんです。そしたらジュンスカが流れた瞬間に客席で和弥が歌い出したり、翔やんが客席でウエーブを起こしたりして。それだけで始まる前に満足しちゃいました。うれしいな、バンドやってて良かったなって。 ――武道館公演をやったことでバンドの勢いが増した感じはありました? アツシ それはありますね。やっぱ結成38年目の〝最遅〟武道館ということで、いろんな人に興味を持っていただいて。新聞や雑誌、テレビ、ラジオも取り上げてくれた。やっぱり武道館の力はすごかったです。びっくりしました。 普段は実家でお菓子屋をやってるんですけど、近所のおじさん、おばさんの見る目も変わった。「武道館やったんだね」って、ご祝儀を持ってきてくれました(笑)。 ■結成40周年でもまだまだ現役! ――今年は結成40周年になりましたが、節目を迎えてどういう思いがありますか。 アツシ やっぱり、友達に恵まれたなって改めて思います。今は40周年のツアーを回ってるんですけど、ドラムのNABOがアキレス腱断裂でジュンスカの小林(雅之)が叩いてくれていて。 30~40年くらいの付き合いのバンドが今も一緒に切磋琢磨している。日本のロックはすごいなって。僕はやっぱり日本のロックの力で生きてきたって思いますね。 ――40年のバンドのキャリアの中で、武道館公演はどういう経験でしたか? アツシ 発表したとき、バンドマン、スタッフ、音楽業界の人、みんなに「すごい!」って言ってもらって、これはやるしかないって、さらに力をいただきました。「こういうときにやってくれるなんて、さすがニューロティカだな」っていう言葉が一番うれしかったです。 みんながやらなかったらウチがやるしかない。そういうことをずっとやってましたからね。なんでもやれるのが美学だから。やめるタイミングを忘れているうちに気づいたら40年たってたんで。これからもやるしかないって感じです。 取材・文/柴 那典 撮影/村上宗一郎