「仕事と恋愛」に共通する“結果を出す人”の原動力とは…成否を分けるのは「能力や体力の差」ではない
「得意なことよりもやりたいことを選べば、困難は増えるが、新しいチャンスが見つかる」。そう語るのは、医師でありながら、これまで自己啓発の本を80冊以上書いてきた、いのうえ歯科医院理事長の井上裕之氏。 そんな井上氏が考える、「仕事や恋愛」で結果を出すための原動力とは何なのでしょうか。同氏の著書『結果を出し続ける人が行動する前に考えていること: 無理が勝手に無理でなくなる仕組みの作り方』から、一部を抜粋・編集して紹介します。
■今はできなくても「やりたい!」なら1秒で即決 「得意だけれど、そこまで好きじゃないこと」で結果を求めるか、それとも、「できるかわからないけれど、どうしてもやりたいこと」で結果を求めるか……。 私なら1秒も迷わず、「できるかわからないけれど、どうしてもやりたいこと」で勝負をかけます。 得意なことに焦点を当てた場合、小さな結果(=一時的な成功)は出やすいかもしれません。ですが、「できること」をやり続けていくうちに成長実感が希薄になって、やる気が長続きしない可能性があります。しかも自分の得意分野に留まっていると、成長の機会を逃してしまうことにもつながるのです。
一方で、「どうしてもやりたいこと」には、熱意がともないます。熱意は、「継続的な努力を惜しまない姿勢」と「困難を乗り越える力」の両方を生み出します。 多少の困難や失敗にもめげず、「熱意100%」でチャレンジし続ければ、人は必ず成長します。こうして他人から見たらかなり努力しているように見えても、本人としてはそこまで努力しているつもりではなくなるのです。 得意なことよりもやりたいことを選べば、困難や失敗は増えるでしょう。でも自分の考え方が変わり、これまで見えなかったチャンスや新しいアプローチに気づくことができます。挑戦を続けることで得られる発見や学びが、結果を出す重要な要素になるのです。
「やりたいこと」の多くは、未知の挑戦。だから「できない」のは当然のこと。そこは気にしなくていいのです。ですが、今は得意でなくても、「なぜ得意じゃないのか」「どうしたらできるようになるか」は、やりたいことこそ、自発的に考えます。その結果、不得意は「得意」に変わっていくのです。 私自身も、そうでした。「手先が器用で細かい作業が得意」だったから歯科医師を目指したわけではありません。「世界トップクラスの歯科医師になりたい」という思いが先で、その一念で試行錯誤を続けた結果、精密・緻密な臨床手技が得意になったのです。