津松阪港も脱炭素化 三重県、市と港湾利用者が協議
2050年カーボンニュートラル、政府方針で
三重県は1日午後2時から松阪市高町の県松阪庁舎で、第2回津松阪港港湾脱炭素化推進協議会を開催。港湾利用企業・団体9団体の担当者や県・市の担当、学識経験者ら合わせて17人（うち6人はオンライン参加）が出席。港湾法に基づいて本年度中に「津松阪港港湾脱炭素化推進計画」を策定するため、事務局の県県土整備部港湾・海岸課が示した骨子案を巡って意見を交わした。 松阪地区の港湾利用者として参加したのは、三重大学生物資源学研究科付属練習船勢水丸の土性広英さん、三重海運㈱の松本武巳取締役部長、松阪タンクターミナル㈱の上田晃司課長代理、茂利製油㈱の茂利要介常務取締役、住友大阪セメント㈱の大原規孝・名古屋支店販売グループ課長。オンラインで松阪港振興協議会事務局の高村直樹さん、セントラル硝子プロダクツ㈱の村里充利人事部長が出席。 学識経験者として参加した公益社団法人日本港湾協会の大脇崇理事長が座長となって司会進行。事務局が写真や表の入った骨子案を映写しながら説明した。 まず、贄崎（にえざき）地区（津なぎさまち）、阿漕浦地区（津ヨットハーバー）、伊倉津（いぐらづ）地区（JMUジャパン マリンユナイテッド㈱など）、大口地区のそれぞれの概要を説明した上で、「官民の連携による脱炭素化の促進に資する港湾の効果的な利用の促進に関する基本的な方針」や「津松阪港港湾脱炭素化推進計画の目標」などが示された。 「基本的な方針」の中では脱炭素化に向けた課題として▶化石燃料利用から次世代エネルギーとなる水素等の非化石燃料利用への転換▶再生可能エネルギー由来の発電の導入▶利用機械や運搬車両等の省エネ化や使用燃料の転換──などが挙げられた。 また、同計画に基づく温室効果ガス排出量の削減目標としては、2013（平成25）年度と比べて短期（2030年度）で42％削減、中期（2040年度）で71％削減、長期（2050年度）で実質ゼロを目指すとしている。2050年の実質ゼロ（カーボンニュートラル）は政府の方針に沿ったもの。 同協議会は昨年11月に第1回協議会を開催し、アンケートやヒアリングを集約して骨子案が作成された。今後、骨子案を精査して来年2月ごろ第3回を開き、年度内に計画を公表する。
