日本とスペインで違う「電車」事情。車内では居眠りしない、降りるときは意思表示が必要
電車の混雑時は降りることをしっかり意思表示する
通勤時間帯やイベント時などの電車・バスの扉近くは大変混雑します。そのため、自分が降りたい駅が近づいてきたら「あなたは降りますか?」と周りの人に確認をして、次に降りる予定であることをしっかり意思表示しないと、だれも動いてくれずに降り損ねてしまうことがあります。 仮に「私降ります!」と伝えても「はい、どうぞ」と思われるのみなので、「降りますか?」と周りに聞いてあげる方が「自分は降りないから場所をあけなければ」と思ってもらえて効果大なのだそうです。 日本のようにドア近辺にいる人は一度降りて、降りる人が全員降り終わったらまた乗るという習慣はありません。
乗車料金は地域ごとに一律で決まっている
マドリードの地下鉄13路線は一つの会社が運営し、同じ地域内ならば1駅乗っても10駅乗っても同じ料金です。観光名所が集まる中心地はAゾーンと呼ばれ、このAゾーン内ならばどこで何番線に何回乗り換えても料金は変わりません。 日本のように路線ごとに事業者が変更しないため、1回入場した後の乗り換えはすべて改札内です。そのため、駅ごとに料金が指定される切符ではなく、Aゾーン乗り放題のチャージカードを利用することになります(1回券、10回券、1か月券等)。このカードは、地下鉄(メトロ)・国営鉄道(レンフェ)・公共バスが共通で乗車できる種類もあり、現在は1か月乗り放題で21.8ユーロ(3,490円程)です。 金額はコロナ救済措置以来通常の半額設定となっており、毎日利用する人達にはお得感があります。なお、同ゾーン内は乗り放題で「〇〇駅からXX駅まで」という料金体系がないマドリードには通学・通勤定期券の概念がないため、通勤費が支給される話はほとんど聞きません。
時刻表は「間隔」表示のみ
地下鉄もバスも運営時間は朝6時ごろから深夜1時半ごろまでです。そこは日本と近いです。ただ、時刻表はざっくりとしていて、例えば10時~12時は4分~5分間隔、16時~21時は3分~4分間隔など簡単な一覧表があるのみです。 駅のホームや大きめのバス停には「あと〇分で到着」という電光掲示板があり、これはほぼ正確のようです。地下鉄の隣駅は比較的近く、乗車時間は2分程度です。 スペインは地域により地下は遺跡の宝庫で、地下鉄を掘り起こすことすらできないところがあると聞きます。世界遺産大国ならでは、残された史跡を守りながら築き上げていく近代の交通網。この新旧融合した環境に、いつの時代でも自由奔放でゆったりした気質のスペイン人が、快適に過ごせる習慣が根づいています。
Rita